「ASIOS」―超常現象を懐疑的に調査する会―のメンバーによるブログ。

2009年03月30日

ASIOSの活動報告(2009年1月〜3月期)

本城です。
今年1月〜3月期におけるASIOSの活動内容を報告します。

【1月】
・新刊の追加原稿の執筆。

【2月】
・調査レポートのページに「ジュセリーノの予言」と「クルスキーの手形」を追加。
・動画集のページをリニューアル。

【3月】
・新刊の校正。
・英語版公式ページに、加筆して英訳した「義経=チンギス・ハーン説」と「聖徳太子の地球儀」の記事を追加。
・本城、秋月さん、中井さん、オーラが見える女性の4人で会合。ジュニア・スケプティック関連とオーラの実験について情報交換。
・調査レポートのページに追加予定の「アポロ陰謀論」に取組中。
・書籍編集を行っている某社から、スカイフィッシュのページで使っているイメージ画像の使用について問い合わせ。横山さんが応対。
・関西で超能力者が集う会を運営している方から、ジェイムズ・ランディのサイキック・チャレンジに関する問い合わせ。話し合い&検証の場を設ける方向で本城が連絡中。

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新刊は4月20日前後に出版できそうです。
近くになりましたら詳細をお知らせする予定でいます。
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2009年03月27日

聖痕現象の一事例

こんには。蒲田です。

 『ASIOSの活動状況について』でもチラッと触れていますが、ASIOSメンバーで執筆した本を出版する企画が進んでいます(来月出版されるはず)。私もいくつか項目を担当したのですが、その中のひとつ『聖痕現象(Stigmata)』について、原稿では触れられなかった内容があったので紹介してみます(聖痕現象というのは、キリストが磔にされた際にできた傷と同じ場所に傷が現れるという奇跡のことです。)。

 それは、オードリー・サントの聖痕事例です。聖痕現象の多くは、聖痕者が行っている「自傷」又は「トリック」が原因だと考えられています。しかし、オードリー・サントは3歳の時に遭った事故によって、話すことも動くことも全くできなくなってしまいました(無動性無言。いわゆる植物状態と解釈していいのではないかと思いますが、正確なところはわかりません)。つまり、オードリー・サントの聖痕はオードリー自身が行っている「自傷」でも「トリック」でもないことがはっきりしています。このことにより、一部でオードリー・サントの事例は聖痕現象という奇跡が存在する決定的証拠と言われています。

 オードリー・サントの家では、聖像から涙が流れる、オードリーに会った巡礼者が治癒するなどの奇跡が起きたと主張されています。そこら辺の奇跡については懐疑論者もデバンキングを行っているんですが、オードリーの聖痕現象に関しては、懐疑論者も話題にするのを避けているように思えます。

 それにはたぶん理由があります。オードリーの事例が奇跡ではないとしたら、その事実は何を意味するでしょうか?

 はじめに思いつく可能性であり、最も高い可能性は、周りの人がオードリーを傷つけているということです。オードリーは常に母親であるリンダの手厚い介護を受けています。状況から考えると、母親のリンダが真っ先に疑われるでしょう。

 ではこれは虐待事例だと考えられるようなものなのでしょうか?母親のリンダは信仰心も厚く、オードリーへの愛情も深い人物です。金儲けに走ったりもしていないようです(現地では、グッズ販売や寄付の呼びかけがあるようなので、おそらく、ですけれど)。

 詳しい調査が行われていないため、印象や推測でしか話すことができないのですが、母親以外の人がオードリーを傷つけているということもなさそうな雰囲気です。すると、もう奇跡という結論しか残っていないのでしょうか?

 単なる憶測だという前提で言えば、私にはこの事例が、母親リンダの代理ミュンヒハウゼン症候群の結果に思えます。もちろん証拠はありませんが、もし私の憶測が正しければ、この事例は精神疾患のからんだ傷害事件ということになります。
 
 こういったことを考えると、超常現象の懐疑論者が扱うには難しい問題なんですよね。もちろん懐疑論者だけでなく警察も調査をしていません。検証は比較的簡単で、隠しカメラの設置程度で可能ですが、今まで行われたことはないといった状態です。

 私たちには想像できない、海外での宗教の重要さがこういった現象の調査を阻む力となっているのかもしれませんね。
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2009年03月23日

レイ・ハイマン

本城です。
今回の記事ではアメリカの懐疑論者、レイ・ハイマンを紹介します。
まずは略歴から。

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レイ・ハイマン(Ray Hyman/1928年〜)

オレゴン大学の心理学者。コールド・リーディングのスペシャリスト。アメリカの懐疑団体サイコップ主催のアンケート投票では、「20世紀の傑出した懐疑論者10傑」の第5位。

ボストン大学の学生時代にはマジシャンとしても活動。1970年代初期になると、ジェイムズ・ランディマルセロ・トルッツィ、マーチン・ガードナーらと一緒に、「RSEP」(Resources for the Scientific Evaluation of the Paranormal)という超常現象の調査グループを結成。

1976年にはサイコップの創設メンバーとして同会に参加。毎年のように政府機関から依頼のある、霊能者の透視や予知の真偽についても調査している。しかし50年近く調査を続けているが、未だに本物と言える者には出会ったことがないという。

1992年からは、毎年8月にオレゴン州で、ジュニア・スケプティック関連のキャンプを主催している。

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レイ・ハイマンというと、訳書がひとつもないので日本では知名度が低いのですが、海外では特に超能力関連を得意とする懐疑論者として有名です。

また仲間の懐疑論者に対しても、異論があればハッキリ意見を述べることでも知られています。たとえば、サイコップが最初に行なった占星術の反証実験では、その手法に問題があるとして批判の先頭に立ちましたし、ランディのサイキック・チャレンジに対しても懐疑論者の中では数少ない批判的意見の持ち主です。

しかしそんなハイマンも、昔はガチのビリーバー(信奉者)でした。若い頃、手相の占い師をしていたとき、何百人もの客がハイマンの占いはよく当たると証言していたため、自分には超常的な力があると思い込んでしまったそうです。

ところがあるとき、彼は突拍子もないことを思いつきます。「手相から読み取ったことと正反対のことを言ってみたらどうなるんだろう?」と。

ハイマンは思い切ってそれを実行したところ、彼の信者はそれまでと全く変わらず熱狂的だったそうです。そして、これをきっかけに、ハイマンはこの種のものに懐疑的になったといいます。

自分には超常的な力があると思い込んでいる状況下で、もしかしたらと、自分の能力に疑いの目を向けるというのはなかなかできることではありませんね。何の力もない勘違いだと思い知らされる可能性があるわけですから。

しかしそれでも疑い、結果を自分に都合の良いように解釈する自己欺瞞にも陥らずに受け入れ、軌道修正することができたわけですから大したものです。

おそらく若い頃のハイマンは、誤りを認めることは恥ではなく、むしろ誤りから目をそらして永遠に誤り続けるほうが恥だということに気付いたのだと思います。
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2009年03月19日

英語ページにレポート追加中

こんには。蒲田です。

 みなさんご存知の通り、ASIOSは超常現象を愛する日本の懐疑論者の団体です。残念なことに日本は懐疑論者の後進国的な位置づけです。こんなことを書くとお叱りを受けるかもしれませんが、現在の日本の懐疑的情報は貧弱なので、海外(特にアメリカやイギリス)から情報を集めてきて紹介するだけで、日本では他に例をみないデバンキングになったりするような状況でもあります。

 でも、そこら辺で満足してしまってはいけないですよね。ASIOSは懐疑的な情報を紹介しているユニークなWebページを作る会ではないですから。そんなわけで、日本発のデバンキング情報を海外に向けてあげていくことも、ASIOSに課せられた使命ではないかなんて思ったりもするわけです。幸いなことにASIOSのメンバーには偽史関係に詳しい原田さんもいるので、そこら辺の情報を海外に発信してみることにしました。

 ASIOSの英語ページのResearch Reportに、「義経=ジンギスカン説」と「聖徳太子の地球儀」の項目を追加しました。翻訳は、ASIOSメンバーのナカイさんが担当。ベースは日本語版の「超常現象FAQ」の原稿ですが、外国人向けに説明を追加したものになっています。

 海外では謎のままとされている場合が多いクロワゼットの日本での透視成功例など、これからも色々と追加していく予定です。
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2009年03月13日

あなたがビリーバーなら将来有望(かも)

こんにちは。蒲田です。

 雑談の話になりますが、懐疑論者の中では「もともとビリーバーだった人の方が優れた懐疑論者になりやすい」とか「ビリーバー的な要素を秘めたままの懐疑論者の方がすばらしい人が多い」なんて話が、単なる思いつきのように口から出ることがあります。

 他の人は、もしかしたら根拠があって言っているのかもしれませんが、私は妥当な根拠なしに納得しています(笑)。

 ちょっと考えてみると、ハリー・フーディーニとかカール・セーガンとかは、ビリーバー的な要素を色濃く秘めている人だったと思います。逆に、ジェームズ・ランディとかマーチン・ガードナーとかは、そういう雰囲気を感じないので、反例といえるかもしれません(どうなんですかね?ウィザードさん、ワカシムさん)

 話は単純で「超常現象に興味を持っているか否か」にまとめられるのかもしれません。つまり、すばらしい批判をするにはその批判対象についてよく知っていなければならないけれど、もともとビリーバーだった人や、ビリーバー的要素を秘めているひとじゃないと、なかなか「超常現象を深く知る」という基準をクリアするのが難しいとかいうことかも。

 そう考えると、JapanSkepticsのような団体よりも、本来は面白がっているだけだったはずのと学会の方が、超常現象のデバンキング内容が高く評価されているのも納得いきますよね。

 もし、今、超常現象ビリーバーなら、超常現象に関する興味を持っているということだと思います。そういう人は優れた懐疑論者になる可能性を持っているといえるかもしれません。あとは、行動を起こして色々と調べてみるといいかも。
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2009年03月09日

『週刊 世界百不思議』

本城です。
最近、新たにオカルト雑誌が創刊されたので紹介します。

sekaihyakufushigi.jpgCMでも流れているのですでにご存じの方もいると思いますが、『週刊 世界百不思議』(講談社)という雑誌です。

扱うジャンルは超常現象全般にわたっていて、毎週木曜に発売される全50冊のシリーズとのことです。10年ほど前にあったオカルト雑誌『週刊 X-ZONE』(デアゴスティーニ)と同じタイプですね。

私の場合、『X-ZONE』の方は全84冊を買いましたが、『世界百不思議』の方はどうするか迷い中。オカルト雑誌をたくさん持っていると、どうしてもネタが被る一方で、新しい雑誌には最近の情報が載っていたりすることもあります。そういう情報はいつでも使えるようにチェックして手元に置いておきたいんですね。

また、他に躊躇する理由として30ページしかないのに580円もする値段の高さがあります。月では約2300円。『ムー』が約200ページで650円ですから、どれだけコストパフォーマンスが悪いかわかると思います。

とはいえ創刊号は、911陰謀論の都市伝説として有名な「予言するドル紙幣」の付録として、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドルの5枚が見本で付いて190円です。

これは自分でいろいろ試せるし、お得かもしれません。

posted by ASIOS at 17:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 本や雑誌の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月02日

エーリッヒ・フォン・デニケン

本城です。

daniken.jpg今回は、古代宇宙飛行士説を世界的に広めたエーリッヒ・フォン・デニケンを紹介します。

まずは略歴から。

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エーリッヒ・フォン・デニケン(Erich von Daniken/1935年4月〜)

 スイスの元ホテル経営者、実業家、作家。
 1968年に出版された『神々の戦車』(邦訳『未来の記憶』)、およびそれに続く『星への帰還 地球人はいかにして生じたか』、『宇宙人の謎 人類を創った神々』などの著書において、以下の古代宇宙飛行士説を展開。
 
 ・古代の建造物や加工物は、地球外の訪問者か、彼らから
  知識や技術を教えられた古代人がつくったものである。
  (ピラミッド、ストーンヘンジ、ピリ・レイスの地図、ほか多数)
 ・宇宙人による遺伝子操作の結果生み出されたのが人類。
 ・宇宙人や、その超技術は「神」となった。

 この説は世界中で大人気となり、デニケンの著書は計26冊で、日本を含む世界20カ国語に翻訳され、6000万部以上を売り上げる大ベストセラーになる。

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 このようにデニケンといえば、60年代末〜70年代にかけて古代宇宙飛行士説を世界中に広めた人物です。ちなみに、90年代にはグラハム・ハンコックが『神々の指紋』を世界的に大ヒットさせましたが、その内容は宇宙人を前面に出さないものの基本的にデニケンのネタと同じです。しかし、じゃあデニケンがこの説の元祖かというと、そういうわけではありません。

 彼の本がベストセラーになる前には1950年代にも話題になっていますし、さらにさかのぼると超常現象研究の先駆者チャールズ・フォートや、19世紀の大霊媒マダム・ブラヴァツキーあたりまでいきます。
 100年近く昔から繰り返されているネタなんですね。ほとんど進歩はしてませんけど ミ(ノ_ _)ノ=3

 そんなわけで昔からあった話ではありますが、デニケンはそれを世界的に知らしめることに成功。その点では大変な功績です。

 しかしながら、有名になればその話は本当なのかと検証されるもの。デニケンの本も徹底的に検証され、その結果、様々な誤りが見つかり、中には捏造まで発覚。一番ひどかったのが、エクアドルの「謎の洞窟」(大まかな内容は古代文明研究家の浅川さんのサイトにある2項目目の「エクアドルで発見された地下道」をどうぞ)に行ったときのエピソードです。

 調査によると、そもそもそんな洞窟は存在しないことや、デニケンが洞窟内にあった黄金の財宝を撮影したという写真も、実は真鍮の模造品を撮ったものだということがバレたりしています。

 でも、著書の中ではその誤りを絶対に認めないんですよね。何度も増刷されているので訂正する機会はいくらでもあるのにやろうとしない。このあたりは、さすがに不誠実だろうと思います。

 なお、デニケンはスイスでホテルを経営していた1960年に詐欺で有罪判決を受けたことがありまして、その頃から7000万円近い負債を抱えていたといいます。しかしその負債もベストセラーでチャラ。

daniken3.jpg 以降は作家のかたわら実業家としても活動し、2003年5月にはスイスで「ミステリー・パーク」(通称「デニケンズランド」)というテーマパークを開園。ところが翌年には早くも経営が悪化し、開園からわずか3年半後の2006年11月19日には閉園になっています。

 作家としては商業的に大成功でしたが、実業家としてはイマイチだったのかもしれません。

【写真引用元】
http://www.psitalk.com/daniken.html
http://www.taz.de/4/reise/europa/schweiz/daeniken-park/

posted by ASIOS at 20:10| Comment(5) | TrackBack(0) | 超常現象の研究者紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする