「ASIOS」―超常現象を懐疑的に調査する会―のメンバーによるブログ。

2010年03月30日

『郷土史と近代日本』が刊行されました。

 藤野です。
 ブログ第2弾は新刊紹介です。

 由谷裕哉・時枝務編著『郷土史と近代日本』(角川学芸出版、3月31日初版発行)が最近発売されました。アカデミック・ライブラリーというシリーズの1冊で、発売は角川グループパブリッシングです。

 「『歴史』とされた出来事は、どのように郷土の意識形成に関わったのか。『守られるべき伝統』を発見した郷土史家たちが、記念・顕彰行為に積極的に関わってきた歴史を中心に、具体的な事例をあげて分かりやすく解説」する書籍。

 早くいえば「広義の郷土史記述を、近代日本のなかでさまざまな観点から捉え直そうとする論文」集です。14人の執筆者が個別論文を寄稿し、それを3部に分類収録しています。

 その第3部・第13章として収録されているのが、 藤原明「近代の偽書『東日流外三郡誌』の生成と郷土史家」 という論文です。

 『東日流外三郡誌』(つがるそとさんぐんし)をご存知ない方のために解説しておきますと、青森県五所川原市の和田喜八郎家に伝来したとされる安倍姓安藤(東)氏の故事来歴を中心として、古代から中・近世までの伝承を記録した雑記録とされています。

 そこには津軽の太古にアソベ族が存在し、ツボケ族が渡ってきて抗争していた、大和三輪山にあった耶馬台国が神武天皇に率いられた日向族の侵攻で滅び、そこから安日彦・長髄彦兄弟が津軽に亡命し、先住のアソベ・ツボケ族と混血しアラハバキ王国が成立した、後年にはアラハバキ王国が大和に侵攻して大和を奪回したことがある、アラハバキ族の末裔である安東氏は海に活路を見出し元寇などで安東水軍として活躍したが、興国年間の大津波で拠点の十三湊(現在の十三湖)が滅び衰退した、などなどが記されていました。

 1975年に市浦村(平成の大合併により現在は五所川原市内)から村史資料編として刊行されるや、村史資料編としては異例の反響を呼び(なんと増刷されている)、郷土史家や歴史作家・オカルト研究家などに注目されただけでなく、歴史学者が論文を書き、テレビ番組にまで採り上げられたのです。

 和田家からは『東日流外三郡誌』だけではなく、『東日流内三郡誌』『東日流六郡誌大要』『石塔山荒覇吐神社秘伝』『日之本大要史』『陸奥史風土記』『北斗抄』などが続々出現したため、『和田家文書』『和田家資料』『和田文献』などと総称されています。

 その後、激しい真偽論争が巻き起こり(テレビでも真贋論争が行われました)、現在では『和田文献』は「偽書」と見るのが定説化していると思われます(現在でも、異論が一部にはありますが)。

 すでに決着したかにみえる問題に藤原氏は、「『外三郡誌』を生成させた力の源泉」へアプローチすることで、『東日流外三郡誌』問題についての新しい研究の方向を示しています。従来は「真偽」論に終始し、偽作者を特定することに注力するあまり、結果として『東日流外三郡誌』などを「偽書」として排除して終わりとなるケースが多かったからです。

 藤原氏は、「通説の説明では、『外三郡誌』は、記紀をはじめ『津軽一統志』のような普遍的な古典を別とすれば、典拠に古い史料が存在した可能性は低く、現代人の書いた歴史に関する著述・論文・新聞記事といったものを用いて所蔵者がすべて創作したと位置づけている。しかし、そのような底の割れた偽書に、学術の世界で言及せざるをえない何かを感じさせるような事態を招来するだけの力があったろうか。疑問である。」とします(わたしも以前、偽作者が秋田家所蔵の『秋田家系図』を見ていた可能性を指摘し、異論を出したこともあります。まったく一顧だにされませんでしたが)。

 そして、郷土史家などの著作・論文の記述や『東日流外三郡誌』に先行する所蔵者(和田氏)関与の偽書の分析を通して、『東日流外三郡誌』がどのように生成していったかを浮き彫りにしていきます。このあたりは『日本の偽書』(文春新書、2004年)での持論の延長、詳論といっていいかもしれません。

 その当否は読者の判断におまかせいたしますが、一読の価値ありの論文であると思います。
 同著者の「偽書と考古学を結ぶもの─物語性豊かな歴史への渇望を満たすもの」(『異貌』24号、2006年)や遠藤聡明「金光上人事蹟資料整理報告─和田文書の検討」(『仏教論叢』35号、1991年)あたりも併せ見たいところです。
…………………

 本書は広範には流通しない学術書のようです。検索しても内容まではよくわからないので、以下目次を掲げておきます(学術書なので、タイトルだけでは抽象的でよくわからないので、サブタイトルがあるものはこれも併記しておきます)。御興味をお持ちの方は是非一読を。

 序章 草莽の学の再構築に向けて 由谷裕哉
第1部 近世・近代の連続と断絶
 第1章 地域を知ることとその時代性─郷土史の目的と担い手に
     関するスケッチ澤博勝
 第2章 富士信仰の外聞─近世・近代における評価 大谷正幸
 第3章 阿蘇という時空間の設定─神話から郷土誌へ 柏木亨介
 第4章 神話から民俗へ─南加賀の一祭祀の中世・近世・近代
     向井英明


第2部 伝統および郷土の発見
 第5章 近代国学と郷土史 藤田大誠
 第6章 神・天皇・地域─阿波忌部をめぐる歴史認識の展開
     長谷川賢二
 第7章 「名前」の争いの近代─武蔵国式内社における郷土史叙述の
     特質 渡部圭一
 第8章 顕彰される仏法興隆の聖地─館残翁の加賀大乗寺史研究に
     ついて 由谷裕哉
 第9章 「郷土」へのまなざしの生成 山口正博
 第10章 郷土地理研究と農村社会学─鈴木理論の形成過程における
     パトリック・ゲデス 石井清輝


第3部 近代日本と郷土史家
 第11章 実学としての郷土史─今井善一郎の郷土史構想 時枝務
 第12章 郷土の偉人像の構築と郷土史─峨山韻碩と峨山道を
     事例として 市田雅崇
 第13章 近代の偽書『東日流外三郡誌』の生成と郷土史家 藤原明
 第14章 郷土史家の声、民俗学者の耳─「不適格な話者」としての
     郷土史家 飯倉義之

あとがき  
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2010年03月25日

「お化け屋敷で科学する2」

 本城です。
 3月10日〜5月31日までの期間、東京のお台場にある日本科学未来館にて、「お化け屋敷で科学する」という企画展が開催されています。

 これは昨年開催された企画展の第2弾のようです。公式サイトを見ると心霊写真も募集していますね。どうやら、ただ紹介するだけで解明まではしないみたいですが、心霊写真をお持ちだという方は応募してみてはいかがでしょうか。

 また他に企画展の展示内容は、「お化け屋敷エリア」「科学トピックスエリア」「観察エリア」「体験エリア」の四つに分かれているようです。エンターテイメント性もありながら、ためにもなる構成みたいです。

 大人だけでなく、子どもでも楽しめると思います。春休みやゴールデンウィークを利用して行かれてみるのもいいかもしれません。私も5月あたりに行ってみる予定です。

【会期】2010年3月10日〜2010年5月31日
【開館時間】午前10時〜午後5時(入館は閉館時間の30分前まで)
      ※5月1日〜5月5日は午後6時まで開館
【休館日】毎週火曜日(※3月30日、5月4日は開館)
【場所】日本科学未来館1階 企画展示ゾーンb(地図)
【入場料】大人700円、18歳以下300円
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2010年03月22日

『失われたムー大陸』初刊年をめぐるあれこれ

 今回から暫定的にASIOSブログの執筆者として、仲間入りさせていただくことになりました藤野です。
 もともと歴史系なので、古本ネタが多くなるかもしれませんが、まあ広い目で読んでいただけると幸いです。

 記念すべき初回になにを書こうかなと思ったのですが、この会への仲間入りしたきっかけが“ムー大陸”なので、ムー大陸の話題をひとつ。

 去年亡くなった志水一夫氏との最後の仕事が、2007年6月刊行の某青年誌に氏のコメントを貰うというものでした。3、40代の人が小さいころに読んだ懐かしの世界の7不思議はその後どうなったのか、というようなテーマで(たぶん)、バミューダ・トライアングルなどを取り上げたなかに失われた大陸を紹介しました。
 当然、チャーチワードのムー大陸が登場するわけですが、“The Lost Continent of Mu”を1926年刊行と表記しました。

 急の依頼仕事にも関わらず、企画の趣旨を御理解いただき、志水氏からは快くコメントしていただけました。その際ゲラを送ると、自分の手許にある“The Lost Continent of Mu”まで調べていただき、所蔵本は1931年刊だが、とFaxで御指摘を受けました。※1

 日本では、周知のように1926年・1931年が混用され現在に至っています。なかでも1931年説が優勢のようで、定説の観があります。
 わたしも以前は1931年説を採っていました。しかし、海外のオークションにおいて、出品物の説明に1926年版でカバー付は珍しいとあったので、あるときから1926年初刊説を採るようになりました。

 志水氏から指摘を受ける前には、南山宏氏にもお尋ねしてみました。氏がサラ・ブックス『海底のオーパーツ』(二見書房、1997年)で、「イギリス出身のアメリカ人ジェームズ・チャーチワード大佐は、生涯の大半を費やしたという長年の研究の成果を、1926年から34年にかけて、『失われたムー大陸』ほか全5巻のシリーズで発表した(邦訳版で初刊が1931年刊とあるのは誤り)。」(196頁)と書かれていたからです。こうした書き方は稀で、南山氏は刊年を調査されて書かれただろうことが推察されたからです。

 書かれて10年も経過していることと突然の電話でしたので、根拠までは思い出してはいただけませんでしたが、調べて書いたはずということでした。たぶん、自覚的に1926年説を採ったのはこの本が初めてだろう、とも仰っていました。

 日本では書誌は(とくにオカルト分野では)さほど重視されませんが、さすがに南山氏だと感銘を受けました。当該書は邦訳版『失われたムー大陸』の問題点やチャーチワードに先行する太平洋の失われた大陸説にも関説されており、“ムー大陸”研究史を書くとしたら特記される仕事だと思います(その他『海底のオーパーツ』の成立経緯についてもいろいろ教えていただきました)。

 以上のようなことを電話で志水氏とお話して、1926年説のまま原稿は活字になりました。
 その後も気になっていたのですが、チャーチワードの顧問弁護士であったパーシーテート・グリフィスの『わたしの友人チャーチーと彼の沈んだ島ムー』──1937年に書かれたという現在までのところ唯一のチャーワードに関するバイオグラフィー──にも、「by the publication of The Lost Continent of Mu, in 1926.」(1926年の『失われた大陸ムー』の出版によって)とあり、1926年版の存在は確実と思えてきました。

 ジェームズの曾孫ジャック・E・チャーチワード氏による「ジェームズ・チャーチワード年表─ジェームズに関する年代順の議論」(“James Churchward Timeline - a chronological discussion of James”2005年)も1926年説を採っているのも補強材料です。

 しかし、志水氏蔵本が1931年刊行というのも確実であり、初版はどうやら1926年で、なんらかの事情で1926年版に触れずに初版として刊行された1931年版が存在するというのが、現在までの結論です。

 日本では1931年版が入ってきたため、仲木貞一・小泉源太郎氏らはこの版によって訳出されることになり、1931年初刊説が流布するようになったのでは、と愚考する次第です。

※1 志水氏によると、所蔵本は「一九四五年発行の第十三刷、米陸軍の旧蔵本で、小倉キャンプ図書館の蔵書印があるもの」(「疑惑の人ジェームズ=チャーチワードとムー大陸伝説・伝」)とあり、現在の福岡県北九州市・自衛隊小倉駐屯地に朝鮮戦争時に所在した在日米軍小倉キャンプにあった図書館からの流出本(廃棄本?)らしい。
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2010年03月19日

懐疑的な動画のページを更新

こんにちは。蒲田です。

 字幕in、カドTVと字幕サイトが次々とサポートを停止したため、長らく見られなくなっていた動画「占いや霊視が当たっているように思えるワケ」をYouTube上で復活させました。今度は、ずっと継続して見ることができるでしょう。
 日本では、ほとんど懐疑的な番組がない状態ですので、懐疑的な番組を日本語字幕付きで見れるという試みは、未だ貴重なものだと思います。

 ただし注意点がひとつあります。YouTubeの設定によっては、そのままでは字幕が表示されない可能性があります。もし字幕が表示されない場合は右下の▲ボタンをクリックして、一覧の中から「キャプション機能をオンにする」を選んでください。

 この動画は「バーナム効果」の劇的な効果を分かりやすく伝えています(動画中では「コールド・リーディング」として紹介されてますけれど)。バーナム効果は占いや占星術だけでなく、よく話題になる血液型性格判断でも使われています。

 真相を明かされたときの参加者たちの反応を見れば、それが当人にとってどれぐらい衝撃的なことだったのか、よくわかるでしょう。

占いや霊視が当たっているように思えるワケ
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2010年03月15日

イギリス国防省のUFO公開資料

 羽仁礼です。
 先月所要でロンドンを訪れたのですが、出発予定の2月18日、朝ホテルでテレビを点けると、他のニュースに混じって、イギリス国防省がUFOに関し6000ページにも及ぶ資料を新しく公表したと報じておりました。

 まずは、ヒースロー空港に出発するまでの待ち時間を利用して、ホテルのロビーにあった「インデペンデント」紙を読んでみました。内容は、チャーチルもUFOに関心を持っていたとか、1997年、当時のマイケル・ハワード内務大臣宅上空で三角UFOが目撃されたとかいうものです。

 こうした機会も滅多にないので、空港のニューススタンドでは何種類か新聞を買いあさってしまいました。それらを総合すると、今回公表された資料は1994年から2000年までのもので、しかも「UFO熱狂者」の報告がほとんどであること、今回は5回目の資料公表だということです。

 イギリスの新聞はいわゆるオカタイ「ブロードシート」と、大衆向けの「タブロイド」に大別できるのですが、今回「ブロードシート」では「フィナンシャル・タイムズ」「ザ・タイムズ」「ガーディアン」、「タブロイド」では「デイリー・メール」「デイリー・エクスプレス」「ザ・サン」を手に入れました。

 このうち「フィナンシャル・タイムズ」(略すとFT)は経済専門誌のため、問題のUFO記事は載っておりませんでした。
 記事の大きさは半ページから、紙面の8割くらいまで。一番扱いが大きかったのが「ガーディアン」と「デイリー・メール」ですが、いずれにしてもページ内に収まる程度の扱いです。

 各紙の報道では、内務大臣宅上空のUFOやチャーチルの関心のほか、1999年のタイ航空乗客の目撃事件、1993年チェルシーのサッカー場上空の目撃事件などが具体例として取り上げられていました。

 このうち、以前は円盤型が多かったのにその後三角UFOが増えたという形態の変化を指摘しているのが「インデペンデント」「ザ・タイムズ」「デイリー・メール」で、「インデペンデント」と「ザ・タイムズ」は、三角UFOとテレビ番組「Xファイル」の関係を指摘しつつ「異星人がXファイルを見ているのか、人々の想像力がポップカルチャーに影響されているのかのどちらかだろう」というデヴィッド・クラークのコメントを引用していました。

 大衆向けの「タブロイド」も含めて、これらUFO報告はけっこう怪しいというニュアンスが強く、日本では「東京スポーツ」あたりに位置付けられるはずの「ザ・サン」などはチェルシーのサッカー場事件を強調し、「異星人がサッカーを観に来た」などと書いていました。

 なお、文中のデヴィッド・クラークは、シェフィールド・ハレム大学でジャーナリズムを講義しており、国立公文書館の顧問でもあります。昨年『UFO files』というペーパーバックを公文書館出版部から刊行しております。関連ブログは以下のとおり。
http://drdavidclarke.blogspot.com/
 
 また、問題のUFO資料は以下のサイトでダウンロードできます。
http://ufos.nationalarchives.gov.uk/
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2010年03月13日

チャールズ・B・ムーア教授 逝去

こんにちは。蒲田です。

 2010年3月2日、チャールズ・B・ムーア教授(Charles B. Moore)がニューメキシコ州ソコロで亡くなりました。1920年10月の生まれですから、今年で90歳になるということ。大往生と言ってもいいのかもしれません。教授は、物理学者、エンジニア、気象学者として知られています。

 といっても、一部のマニア以外にはそれほど名前を知られていないかもしれませんね。ムーア教授はロズウェル事件の真相として知られる「Project Mogul」に参加しており、ロズウェル事件に関しても、積極的に情報を提供されていました。教授のおかげで、ロズウェル事件当時の状況が色々と判明しました。

 自称ロズウェル事件研究家としては、色々と教えてもらいたいことがあったのですが、間に合いませんでした。非常に残念なことです。

 ご冥福をお祈りいたします。

posted by ASIOS at 23:09| Comment(2) | TrackBack(0) | オカルトニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月11日

2つの幽霊入り小瓶がオークションで落札

 本城です。
 最近話題になっていた幽霊を封じ込めた小瓶のオークションをご存じでしょうか。これはニュージーランドのオークションサイト「Trade Me」で、自宅に取り憑いていた2体の幽霊を封じ込めたという小瓶が出品されたものです。

 実は以前、世界的に有名なeBayでも、ピッコロとヨーダと梅干しを足して3で割ったような「瓶詰めにされたエイリアン」が出品されていたことがあります。残念ながらこのときは落札されても実物は送られず、写真だけ、という意味不明なものでしたが、今回はちゃんと実物の小瓶が送られるとのこと。

 で、その小瓶が8日に落札されました。最終的な落札額は2,830ニュージーランド・ドル(約18万円)。オークションのページを見ると、最後は分刻みで入札合戦が繰り広げられていたことがわかります。

 まあ、ページ下部にあるQ&Aを見ても相当話題になったことがうかがえますから、お金に余裕のある人は18万円出しても欲しいと思うのかもしれません。

 ちなみに出品者の女性によると、落札代金の18万円は、動物保護団体の「SPCA」に寄付する予定だそうです。ここは寄付がないと成り立たないみたいなので、ちゃんと寄付されることを願います。
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2010年03月08日

新刊『これってホントに科学?』『ホントにあるの?ホントにいるの?』

こんにちは。蒲田です。

 先日、会長がジュニア・スケプティック本の新刊として山本弘さんの『ニセ科学を10倍楽しむ本』を紹介したばかりですが、かもがわ出版より、2冊ほどジュニア・スケプティック本に分類できる本が出版されました。
 対象年齢は小学高学年〜中学生となっています。実際のところは大人が読んでもいいぐらいの濃さではないかと思いますので、中学生以上ぐらいが適切かも?という印象もあったりしますけれど。

 1冊目は『これってホントに科学?』で、主にニセ科学関連の話題を扱っています。

これってホントに科学?―ウソ?ホント?「ふしぎ」を科学しよう

これってホントに科学?―ウソ?ホント?「ふしぎ」を科学しよう

  • 作者: 安斎 育郎
  • 出版社/メーカー: かもがわ出版
  • 発売日: 2010/03/01
  • メディア: 単行本



 2冊目は『ホントにあるの?ホントにいるの?』で、超常現象関連の話題を扱っています。

ホントにあるの?ホントにいるの?―ウソ?ホント?「ふしぎ」を科学しよう

ホントにあるの?ホントにいるの?―ウソ?ホント?「ふしぎ」を科学しよう

  • 作者: 安斎 育郎
  • 出版社/メーカー: かもがわ出版
  • 発売日: 2010/03/01
  • メディア: 単行本



 著者は安斎さんとなっていますが、中身は安斎さん+JapanSkeptics教育分科会有志+ASIOS蒲田で書いています。もともとは、JapanSkeptics教育分科会有志+ASIOS蒲田で1冊、安斎さんが1冊という話でしたが、最終的には2冊を一緒に書くという形になりました。

 色々な話題を扱っていますが、JapanSkeptics教育分科会有志+ASIOS蒲田の部分については、青少年に対するアンケートで、実際に出てきた疑問をもとに項目を立てています。この辺は特に意義深いのかなと思っています。

 当初の企画は「不思議現象の疑問から入って最新科学を知ろう。そして科学に対する好奇心を育てよう。」という感じでした。しかし、それで子供のためになるだろうか?(ここらへんについては機会があったらブログに書きたいと思います)ということで、JapanSkeptics教育分科会有志の方々と共に「不思議現象の疑問から入って科学の考え方を知ろう」という方向にもっていきました。かもがわ出版さんとしては、望まない方向だったのかな?とも思いつつ、私はこの方が良かったと考えています。

 かもがわ出版さんは、学校とも繋がりがあるところですし、今回は書店向けのこの本についても、学校図書館向けとして再構成する可能性があるということで、教育の現場に私たちの思いが届くのを期待したいと思います。
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2010年03月06日

「奇界を語る」と魚の雨

 本城です。
 X51.ORGの佐藤健寿さんがトークイベント「奇界を語る」を開催することになったそうなので紹介します。

【日時】
3月7日(日) 18:00〜19:30(開場17:30〜)

【内容】
「奇界遺産」の刊行及び写真展の開催を記念した写真上映&トークショーイベント

【出演者】
・佐藤健寿(著者)
・古平正義(アートディレクター/FLAME inc)
・タカノ綾(画家/カイカイキキ)

【場所】
東京青山ブックセンター本店

※入場無料(電話予約優先/予約無しでも入場可能)
 問い合わせ:03-5485-5511 (受付時間10:00〜22:00)

 写真展に、佐藤さんのトーク、それに入場無料ですので、興味のある方は行かれてみてはいかがでしょうか。詳しくはこちらをどうぞ。


 ちなみに今回はファフロツキーズの最新ニュースがあったようなので最後にそれもご紹介。
 場所はオーストラリアのラジャマヌという町で、時期は今年の2月25日、26日の二日間。最近ですね。降ってきたのは数百匹の魚だそうです。

「何百もの魚が空から降ってきた!!」(オーストラリア)
「Hundreds of fish fall out of the sky over remote Australian desert town」

 記事によれば、ラジャマヌの町は水場から数百キロ離れていることになっていますね。ところが実際に地図で調べてみると一番近い川は3.5キロくらいのところにあります。今のところ有力なのは竜巻説? とはいえ竜巻が起きたという記録はないとのこと。

 これが日本だったら調べに行くんですが、さすがにオーストラリアはすぐに行ける場所ではないですね。ただオーストラリアは、アメリカに次いで世界で2番目に大きな懐疑団体がある国ですから、ぜひ地元で起きた最新ケースの原因を調べてもらいたいところです。
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2010年03月03日

『共感覚』―“オーラ”は“共感覚”か?

 秋月です。二回目の登場となります。さて、何を書こうか迷ったのですが…。私、前々から不思議に思っていたことがあるのです。それは、「オーラって、もしかして本当に見えてる?」ということです。
 
 実は先日(といっても随分前ですが)オーラが見えるという方にお会いしまして、早速見ていただいたところ、何ともうまいこと私のことを言い当ててくれるではありませんか。
 
 そこで信じやすい私は…ハハン♪なんだか本当に見えてるみたいだなあ――と思ってしまったのです。そして、もし本当に何かが見えているとするならば、それに対する合理的な説明があるはずだろうと考えました。そんな時に出会ったのが“共感覚”です。
 
 さて、共感覚ですが、まずご存じない方のために簡単に説明しましょう。それは「一つの刺激から複数の感覚が生ずる」こと。つまり「音を聴くと色を感じる」といったような、とても奇妙な感覚のことです。

 この共感覚は、なんとなくオーラと似ていますよね。例えば、人の印象によって色を感じるという感覚が希にあるならば、それはまさにオーラのような気がします。もう、いろいろ考えるのもメンドクサイですし、この際オーラは共感覚ということにしましょう。
 
 …とも思いましたが、私も一応ASIOSのメンバーなので、もう一度考えてみることにしました。「オーラ=共感覚」説を主張するなら、共感覚についてある程度知っておく必要があります。そう思い立って手に取ったのが、今回ご紹介する本『共感覚』です。

共感覚―もっとも奇妙な知覚世界

共感覚―もっとも奇妙な知覚世界

  • 作者: ジョン ハリソン
  • 出版社/メーカー: 新曜社
  • 発売日: 2006/05/20
  • メディア: 単行本



 著者のジョン・ハリソンはロンドン大学、ケンブリッジ大学にて研究に従事する心理学者で、1990年代からこの奇妙な感覚についての研究を始めました。

 本書を読むと、とても慎重に共感覚を扱っていることが伝わってきます。単純な結論には導いていないので、読んでみて消化不良を訴える方もいるかもしれません。でも逆に言えば、それ故本書が真摯な研究の成果を記した、信頼できる書籍である証とも言えるのではないかと私は思います。

 著者は共感覚に対する懐疑的な視点から研究を進め、共感覚者が存在するという確信を深めていきます。そして「新生児に聴覚刺激を与えると、後頭皮質の視覚野から信号がくるのが観測される」という事実から下記のような仮説を立て検証していきます。

初期には聴覚情報を脳の視覚野に運ぶ一時的な経路があるらしい。そこで私たちの理論では、共感覚を持つ人々は成人してもこれらの経路を保持しているのに対し、共感覚を持たない人々はだいたい生後三ヶ月ぐらいまでのどこかの時点でこの能力を失ってしまい、異なった感覚からの入力を区別するように、脳の構造や接続が変化してしまったのだ、と考えている。

 さて、オーラは共感覚なのかという疑問に戻りましょう。結論から言えば、それらはまったく違うものだというのが、本書を読んでの私の概観です。私の確信はまやかしだったのです。
 
 例えば、有名な「某オーラ番組」では、霊能者二人が対象者のオーラを見て、「あなたの周りには金色のオーラが取り囲んでいるわ」「そうそうほんとうに綺麗だわ」などと言ったように、二人の霊能力者が同じ色(オーラ)を見ているかのような場面が散見されます。

 しかし本書では、共感覚者にこのようなことが起こりえないことを示す多くの研究結果が記されています。例えば、共感覚で一番多いケースである、聴覚刺激によって視覚が起こる“色聴”であれば、「ある二人の共感覚者が同じ「色―単語」の対応を持っているのは非常に希であることは明らか」で「たとえ双生児の場合ですらも、ひとりひとりとても違っている」のです。

 また、色と単語の対応も「Happy」だから「ピンク」とかいうような、色と単語のイメージによる関連性もありません。この事実はある共感覚者が話した言葉に端的に表れているでしょう「担任のブラウン先生の名前がおかしい、だってこの名前は緑だから」

 そして、このことこそ、本物の共感覚と、後天的なイマジネーションとしての擬似的共感覚を見定める基準なのです。

 よくよく考えれば、某有名霊能者が言うように「赤のオーラは情熱的、努力家」で「黄色のオーラは朗らか、ひょうきん」だなんて、まるで戦隊ヒーロー物のようです。この見立てに従えば、黄色いオーラの人はカレー好きに違いありません。

 しかし、だからといって「感情と色の共感覚を持つ」人がいないとも限りません。そして彼らが自分が共感覚者だとは気付かず、オーラを見ているのだと勘違いしている場合もあるかもしれません。しかし、その場合、テレビで雄弁に語る霊能者の見るオーラとは、まったく違う色を見ていることでしょう。

 そしてオーラ番組のそれは、「“共”感覚」ではなく、霊能者の一人の見解に、もう一人の霊能者が共感して、その対象者も共感するという「“共感”感覚」みたいなものだろうと思い直しました。たた、現時点では共感覚よりむしろオーラの知識が足りません。でも、オーラを体系的に捉えるのは共感覚よりも、もっと難しいだろうと、私は思います。

【参考】
▼VRもオーラも「共感覚」の一種?
(知り合いに会うと色を感じる――感情と色の共感覚を持つ――人もいるという)
http://wiredvision.jp/archives/200503/2005030901.html

【余談】
 私の前エントリーでは十九世紀末前後の心霊写真を取り上げました。そして、共感覚にもその時代との接点があります。共感覚に関する関心は、まず十九世紀末に高まり、その後衰退して、また二十世紀末に高まっているのです。この本の原本は2001年に出版されたのですが、人々の関心が高まったからこそ出版されたと言えるでしょう。実際、現代の共感覚の研究は、前世紀末で確かめられなかった仮説を、現代の科学的方法で検証する作業であったとのことでした。
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2010年03月01日

新刊『ニセ科学を10倍楽しむ本』

 本城です。
 book2.jpg27日に山本弘さんの新刊『ニセ科学を10倍楽しむ本』が発売になりました。タイトルを見てピンときた方もいると思いますが、この本は2007年に出版された『超能力番組を10倍楽しむ本』の続編にあたります。(3年ぶりの)

 ですから設定はそのまま。あの名原家が今度はニセ科学をテーマにしてさまざまな疑問に挑んでいます。夕帆ちゃんも健在ですよ。

 扱っている内容は、水からの伝言、ゲーム脳、有害食品、血液型性格判断をはじめ、他にもいろいろなニセ科学を扱っています。またエピローグでは「疑う心を大切に」と題して、こういった問題に対してのアプローチの仕方がわかりやすく解説されています。

 基本的に本書は前作同様、子どもとの対話によって話しが進んでいきますので、通常のニセ科学を扱った本よりもかなり平易です。

 いわゆる「ジュニア・スケプティック」に分類される本ですね。そのため大人だけでなく、子どもでも比較的わかりやすく読めると思います。また通常のニセ科学批判本だと敷居が高いと思われる方でも、本書なら気軽に読み始めることができるかもしれません。入門書としてもお勧めです。
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