「ASIOS」―超常現象を懐疑的に調査する会―のメンバーによるブログ。

2012年01月27日

エミリー・ローザ

 本城です。
 エミリー・ローザ.jpg今回は久しぶりに懐疑論者の紹介をします。エミリー・ローザです。エミリーは当時9歳だった1996年に、「セラピューティック・タッチ」を検証したことで有名になった少女です。

 ここでいうセラピューティック・タッチとは、いわゆる手かざし療法のこと。ニューヨーク大学看護学部の名誉教授ドロレス・クリーガーが体系化したヒーリングの一種です。セラピューティック・タッチを習得したヒーラーは、患者の身体から少し離れたところに手をかざすと「エネルギーの場」を感じ取ることができ、その乱れを整えることで治療ができるといいます。

 本当でしょうか? これに興味を持ったのがエミリー・ローザでした。エミリーが当時通っていたコロラド州の小学校では「サイエンス・フェスティバル」という自由研究を発表する機会があり、彼女はその題材となるものを探していたところでした。

 ちょうどいい題材に出会ったエミリーは、セラピューティック・タッチの大前提となる「エネルギーの場」というものが本当に実在するのか検証してみることにしました。

 検証のための実験に集まったのはコロラド州ボールダーで開業する21人のヒーラーたち。エミリーによれば、クリーガーにも参加を呼びかけたそうですが時間がないとして断られたそうです。
※ヒーラーは懐疑論者の検証を嫌うため、この実験に21人も集まったのはすごいこと。子どもだからと甘くみられていたのかもしれません。96年にジェイムズ・ランディがフィラデルフィアの懐疑団体と協力してセラピューティック・タッチの検証実験を企画した際は、60以上もの看護師団体や個人に検証を申し込んだにもかかわらず、返答があったのはわずか一人。このときは742,000ドル(約6000万円)の賞金を懸けて、その一人、カリフォルニアの開業医ナンシー・ウッズが挑戦しました。しかし結果はクリアできずに終わっています。

 さて、エミリーの実験は次のような手順で行われました。(材料費はわずか10ドル)
(1)エミリーがヒーラーと1対1で向かい合って座る。
(2)テーブルにはダンボールで作った衝立を用意。衝立にはヒーラーの左右の腕を通せるように2つの穴が開いている。また穴から向こう側が見えないように布が被せられるようになっている。
(3)ヒーラーは穴に手を通し、手のひらを上に向ける。
(4)エミリーはヒーラーの左右どちらかの手の少し離れたところに手をかざす。左右どちらにするかは毎回コイン投げをして決める。
(5)ヒーラーは左右どちらにエミリーの手があるのか、「エネルギーの場」を感じ取って当てる。
(6)実験の一部始終はビデオで録画する。

 実験の様子の一部は、以下の動画の1分34秒あたりから見られます。



 実験前のヒーラーたちは自信満々でした。当然です。エネルギーの場を感じ取るのは基本中の基本、セラピューティック・タッチの大前提なのですから。
 テストは全部で280回行われました。ところが、そのうち当てられたのはわずか123回。正答率は44パーセント。偶然でも50パーセント当たるはずの正答率を下回る残念な結果に終わりました。

 エミリーはこの実験の結果を医師にも協力してもらいながら論文にまとめ、『アメリカ医学協会ジャーナル』に投稿。1998年に掲載されました(実際の論文)。当時11歳での論文掲載は史上最年少。アメリカで最も若い科学者が誕生したとして、大きな話題を呼びました。

 ちなみにそのジャーナルが出された日は4月1日だったため、クリーガーは「それがエイプリル・フールの冗談であることを希望する」とコメントしています。残念ながら実際は冗談などではなく、本当でしたけれども。

 さてエミリーはその後、コロラド大学に進学し、心理学を専攻。現在は大学院で学んでいるようです。以下は2008年の映像ですが、大人になったエミリーがご覧になれます。30秒から登場するのは、論文の共同執筆者の一人で、インチキ医療批判サイト「Quackwatch」の運営者スティーブン・バレットです。1分23秒からはドロレス・クリーガーも登場します。

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2012年01月06日

1月放送のテレビ番組

 本城です。
 直前になってしまいましたが、1月もオカルトネタを取り上げた番組が放送されるので紹介します。

●1月6日(金) 20:54〜22:48 テレビ東京
「古代文明ミステリー たけしの新・世界七不思議6」
 ナスカの地上絵が取り上げられます。

●1月6日(金) 25:35〜26:35 フジテレビ
「世界謎学アカデミーワンダークエスト」
マヤの予言、ミステリーサークル、モアイ像の謎…世の中に多く存在する科学では解明できない不思議を、既存の科学にとらわれない“超科学”で徹底検証! 現在の科学技術や学説の見地からリアリティーのある語り口で、絵空事ではないのではないかと思えるような新説を見つけていく“不思議探求バラエティー番組”(番組サイトより)

●1月7日(土) 19:00〜20:54 TBS
「JNN総力蔵出しSP こんなの見たかった! 超ブッ飛び映像祭4」
 目を疑うような超常現象の映像が放送されるらしいです。

 さて、これ以外にも先日放送された番組がありましたので少し感想を。
 まず3日に放送された「緊急スクープ!!世界初公開…夢の古代秘宝史上空前の大発掘SP」という番組。

 番組表には載っていなかったのですが、珍しくオーパーツが紹介されていました。ほとんどはASIOSでもこれまで取り上げたものばかりで、ハンマーの化石、古代エジプトの電球、カブレラ・ストーン、水晶ドクロ、サッカラ・バード、聖徳太子の地球儀、アンティキティラの機械などでした。このうち真相を紹介していたのはアンティキティラのみ。あとは未解明扱いだったのは相変わらずです。

 次に昨日放送されていた「スパモク !! 初出し世界の恐怖映像 超絶叫200%最強版!」という番組。定期的に心霊動画をランキング形式で紹介している番組です。正直、50以上も紹介されていると霊の登場パターンが大体同じで後半飽きてくるのですが(笑)、こういう心霊動画を扱った番組の面白さは、番組の最後に流されるテロップにあります。

「映像協力」と書いてあるところを見ると、ちょっと違った楽しみ方ができるんです。たとえば昨日の番組では「The GMP Group Singapore」と「McCann Erickson Singapore」という表示がありましたが、これは以前にも紹介した「エレベーターに老婆の幽霊」の動画を制作したシンガポールの人材コンサルタント会社の名前です。

 つまり、制作スタッフはこの動画がCGで作られた企業宣伝用の動画だということをわかって紹介しているということです。他にも映像協力のところには海外のビデオ制作会社やCG制作会社の名前もあったり、「Rick Pisarro」という名前が「宮迫ベスト5位 悪夢のドライブ(ポルトガル)」の映像に出てきたドライバーで、彼はアメリカの俳優だとわかったり、いろいろ面白い発見があります。
posted by ASIOS at 18:50| Comment(4) | TrackBack(0) | テレビ番組情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする