「ASIOS」―超常現象を懐疑的に調査する会―のメンバーによるブログ。

2012年02月15日

リチャード・ワイズマン『超常現象の科学』

paranormality.jpg 本城です。
 イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンによる新刊『超常現象の科学』(文藝春秋)という本が日本で翻訳出版されました。今回はそのご紹介です。

 ワイズマンはイギリスを代表する懐疑論者・心理学者であると同時に、心理学を応用した実験やマジックの動画をYouTubeにアップして注目を集めている人物です。
 こちらはその一例。日本の番組でも紹介されたことがあるのでご存知の方もいるかもしれません。(英語がわからなくても楽しめます)


 さて、そんなワイズマンが超常現象をテーマに人間の心理と認知の仕組みをわかりやすく解説した本が今回の『超常現象の科学』です。もともと超常現象の調査に長年携わってきた人ですから、テーマとして申し分なし。各章それぞれに面白い話題が取り上げられています。

 序章は、飼い主の帰宅時間がわかるという超能力犬を検証したエピソードから。日本の動物番組やスピリチュアル系の番組でも、この超能力犬は紹介されることが多いため、ご存知の方もいるのではないでしょうか。
 ただし残念ながらその真相は日本ではほとんど紹介されません。けれどもワイズマンはこの犬と飼い主を実際に検証しており、本書ではその内容が詳しく解説されています。

 続く第1章は占いがテーマ。百発百中の謎の占い師こと「ミスターD」が登場。面識のない客の情報を次々と当てていきます。彼の占いは本物なのか? 占いがよく当たったように思えてしまう仕組みとは? その真相はミスターD自身によって明らかにされます。
 
 第2章は幽体離脱。過去に起きた幽霊離脱でしか説明できないとされる事件の真相を紹介しながら、脳が引き起こす奇妙な錯覚も実例を交えて紹介。幽体離脱と同じようなことを読者が体験できるやり方も伝授します。

 第3章は超能力。ここでは世界一の超能力者ともいわれたジェイムズ・ハイドリックが登場。懐疑的な人も引っ掛かった彼のトリックとは? 超能力があると思い込ませるために必要な5つの原則も解説してくれます。

 第4章は心霊現象。スピリチュアリズムと縁の深いフォックス姉妹から始まり、こっくりさんを実例とした脳と意識のギャップが引き起こす不思議について解説。

 第5章も心霊現象。睡眠と心霊現象との関係や、脳が引き起こす様々な現象を具体的な実験をもとに解説。

 第6章はマインドコントロール。900人以上が集団自殺し、史上最悪のカルト事件ともいわれる人民寺院事件。教祖のジム・ジョーンズは、なぜ900人以上もの人たちを自殺させることができたのか? なぜ外部から見れば狂信的とも思える教祖と教団に、信者たちは心酔していったのか?

 日本でもオウム事件が起こり、最近もオセロ中島のマインドコントロール騒動が起きていますが、決して人ごとではありません。ワイズマンは、人がカルトにはまる要素を4つに分けて解説しています。

 それぞれの要素は非常に人間の心理を突いており、誰でもその落とし穴にはまる可能性があります。またこういったマインドコントロールはカルトに限ったことではなく、私たちの日常にも潜んでいることが示されます。

 第7章は予知能力。巷でもよく聞かれる「虫の知らせ」「予知夢」などを、実際に有名になった事件を交えながら解説。
 さらに巻末にはワイズマンから読者へのプレゼントとして特別付録も。「読心術」「瞬間麻痺」「暗示にかかりやすいテスト」「念力を身につける」「幽霊を呼び出す儀式」など、心理の働きを応用した実演キットが用意されています。

 さて、以上のようにざっと各章を紹介してみましたが、もちろんこれで全部ではありません。それぞれに紹介できなかったエピソードや興味深い実験がたくさんあります。
 たとえば心霊現象研究家のトニー・コーネルが行った「人はなかなかお化けに気つかない」という実験。夜中に白いシーツで身を包み、幽霊の格好をして人とすれ違っても、意外にも気づく人はほとんどいない、というんです。

 さらに、映画館で上映の合間に幽霊の格好をしてスクリーンの前を横切ってみたところ、3分の1はその存在に気づかず、残りの気づいた人たちも、横切ったのは「分厚いコートを着た女性だった」とか、「どたどたしたホッキョクグマだった」とか、その内容はあやふやなものばかり。意外にも人は周りで起きていることに無頓着で、記憶もいい加減なようです。
 また比較的有名な「ラトクリフ波止場の幽霊」では、怪談話をデッチ上げたところ、その作り話の内容に沿った幽霊を目撃した人が続出しました。

 とにかく本書は紹介されている実験やエピソードの数が豊富です。内容も具体的なので、なぜそういえるのか、というワイズマンの主張のしっかりした根拠となっています。
 また説明の仕方も非常にわかりやすいです。各章ごとに、それぞれ4つか5つくらいのポイントにわけて説明しており、長くなる場合は最後の方でまとめ直す、といったことをやってくれるんです。

 さらに読者を飽きさせない工夫として、ちょっとした心理実験なども用意されています。読者が実際に体験することができるんです。表紙はその一例。少女の絵が描かれていますが、これは背表紙も使うと幽霊のような少女の姿が浮かび上がる、という仕組みになっています。

 陽気なワイズマンらしく、適所に散りばめられたユーモアも健在。難点をあげるとすれば、改行が少なく、通常の単行本に比べれば字が少し小さいという点がありますが、その分、ページ数が抑えられて、翻訳本にしては値段もお手頃になっているので仕方ないかもしれません。

 内容は十分に面白いです。ワイズマンは決して頭ごなしの否定をしていないため、スタンスを問わず楽しめると思います。超常現象に興味を持っている方はもちろん、人が見たり記憶したりする認知システムに興味がある方にも参考になる情報は盛りだくさんです。おすすめします。
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2012年02月11日

FM NANAKO

 本城です。
 ブログでは事後報告になってしまいましたが、今日の午前中に「FM NANAKO」(FM萩)の番組に電話出演してきました。

 こちらの放送局には、もともと「北浦オカルト研究所」という『ムー』も少し協力している番組がありまして、以前にその担当者の方からお問い合わせがあったのがご縁でした。

 今回はお昼の番組でしたが、10くらいの質問に回答していく形式で、ASIOSのこと、メキシコのオカルト事情のこと、エイモス・ミラー事件(写真つきの宇宙人による殺人事件)のこと、メジュゴリエの奇跡(聖母マリアの顕現)のことなどをお話しました。

 DJのお二人が気さくで、とても話しやすかったです。また機会があれば出させていただくかもしれません。放送エリアは山口県の萩市・阿武町・長門市(ケーブル加入者の場合は島根県益田市も)とのことで、範囲は限られますが、聴ける方はよろしくお願いします。
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2012年02月08日

UMAのミイラ

 本城です。
 UMAのミイラを創るのが非常にうまいフアン・カバーナというアーティストがいます。彼はUMAのミイラをせっせと創っては、海岸に置いてきて人々を驚かせる、というジョーカーです。

 今回はそんな彼の作品をいくつか紹介します。まずは作品集1から。
Ocruelsea6.jpg

「ネリーナ」という名前の人魚のミイラ。実はこれ、2008年にハリケーン「アイク」が通過したあと海岸に打ち上げられていたとして、ニュースになったことがありました。→「ハリケーン・アイク通過後、人魚を発見!」
 カバーナの作品だったんですね。

 こちらはエイリアン・フィッシュそっくりの作品。
Delmar.jpg


 人面魚?
humautica3m.jpg


 作品集2。遠くから見たら枯れた流木に見えそうですが、近づいたら顔がついてます。
seadevil.jpg


 これは2004年にインドのチェンナイで発見されたことになっていた人魚のミイラ。実はカバーナの作品でした。
weeklyworld.jpg


 作品集3。海棲系UMAだけでなく、脚がついている小人か妖精みたいな作品もあります。
seafaerie4.jpg


 ウィークリー・ワールド・ニュースにネタとして取り上げられたこともありました。
mermancaught.jpg

fishhashumanface.jpg


 なお、これらのミイラは本物の魚の歯やヒレ、うろこなどを使って創られているとのこと。過去にはいくつかの作品を販売していこともあったようですが、今では全部売れてしまっているようです。残念。
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2012年02月07日

『謎解き超常現象』と『謎解き古代文明』

 本城です。
『謎解き超常現象』と『謎解き古代文明』 がコンビニでも販売されることになりました。『謎解き超常現象』の方は本日から廉価版の再販で、『謎解き古代文明』の方は今回増刷分を3月22日から発売となります。

 出版からしばらく経って本屋では入手しづらくなっていましたが、今後は全国の主要コンビニでも入手可能です。よろしくお願いいたします。
posted by ASIOS at 16:56| Comment(3) | TrackBack(0) | ASIOS更新情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする