「ASIOS」―超常現象を懐疑的に調査する会―のメンバーによるブログ。

2015年04月11日

4月12日に大地震が起きる?【訂正あり】

【4月12日追記】 本文の後半で示す四分割表のDの数が誤っていました。正しくは51です。お詫びして訂正致します。

 本城です。
 最近、話題になっているニュースがあります。

「茨城の海岸にイルカ150頭、打ち上げられ衰弱」(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150410-00050070-yom-soci

 このニュースには心が痛みますが、これに関連して、4月12日に大地震が起きるのではないかという噂が広まっています。これはゲリー・ボーネルという人の予言と、東日本大震災の前にも似たような事例があったことから噂されているものです。

 さてボーネル氏の予言とは、ざっと以下のようなものですが、彼の予言の検証については、また別の機会にまとめてやる予定です。
http://spotlight-media.jp/article/131910398681010802

 今回はもう一つの、打ち上げ(ストランディング)事例と大地震の関係について取り上げたいと思います。

 まずこうした事例では、「イルカなどが海岸に打ち上げられた」ことと、「大地震が起きたこと」が結びつけられて考えられがちです。もちろん二つとも目立つ事例ですから、この二つが起きれば、何か関係があるのではないか、と考えてしまうのも無理はありません。

 しかしここで見落としてはならないのは、その他の事例はどれくらいあるのか、ということです。これを考えるのに便利なのが四分割表です。

四分割表.jpg


 今回のような事例を大地震の前兆現象だとするならば、表のAが他の三つに比べて特に多くなるはずです。以下で検証してみましょう。

 幸い、国内のストランディング事例はデータベース化されています。ここでは下関鯨類研究室のデータベースを利用させていただくことにします。

 さて検証の前にデータベースを見て驚くのは、ストランディングの事例は思っていたよりかなり多いということでしょうか。決して滅多に起きないことではなく、定期的に起きているということがわかります。

 ただし数が多すぎるため、ここではニュースになるような数として、10頭以上が打ち上げられた事例に絞ることにしました。その結果、データベースにある1901年〜2012年までに起きた事例は、次の23件であることがわかりました。

1924or1925年3月21日、北海道枝幸郡目梨泊ソセツの浜、シャチ13頭
1927年12月1日、茨城県波崎海岸出洲、カズハゴンドウ113頭
1928年12月24日、千葉県銚子町新生地先利根川河口、カズハゴンドウ120頭
1929年6月11日、東京都大島新島本村前浜1マイル沖(伊豆諸島)、バンドウイルカ3000頭
1929年10月26日、秋田県由利郡平澤町琴ヶ浦、コビレゴンドウ15頭
1929年11月16日、茨城県鹿島郡鹿島町(現・鹿嶋市)平井海岸、スナメリ16頭
1966年12月13日、千葉県利根川河口一の島灯台近く、コビレゴンドウ100頭
1979年11月7日、神奈川県小田原市国府津−早川(相模湾)、アカボウクジラ13頭
1981年2月15日、長崎県壱岐郡勝本町、カマイルカ24頭
1982年1月6日、宮崎県宮崎市青島海岸、カズハゴンドウ、135頭
1986年9月16日、長崎県壱岐郡石田町筒城(塩津浜)、オキゴンドウ123頭
1990年2月19日、茨城県鹿島郡鹿島町(現鹿嶋市)明石海岸、カズハゴンドウ30頭
1990年11月2日、長崎県南松浦郡三井楽町白良ケ浜(五島列島)(福江島)、ハナゴンドウ582頭
1993年10月20日、長崎県南松浦郡有川町七目郷蛤浜(五島列島)、オキゴンドウ100頭
1998年5月17日、山口県下関市安岡海水浴場、スジイルカ24頭
2001年2月11日、茨城県鹿島郡波崎町、カズハゴンドウ53頭
2002年2月24日、茨城県鹿島郡波崎町柳川海岸、カズハゴンドウ24頭
2002年2月24日、茨城県鹿島郡波崎町波崎海水浴場、カズハゴンドウ85頭
2004年8月24日、沖縄県宮古郡伊良部町渡口の浜(宮古列島)、マダライルカ19頭
2006年1月23日、千葉県旭市行内飯岡海岸、カズハゴンドウ26頭
2006年2月28日、千葉県長生郡一宮町東浪見、カズハゴンドウ67頭
2008年8月11日、沖縄県宮古郡多良間村水納島、コビレゴンドウ40頭
2011年3月4日、茨城県鹿嶋市下津海岸、カズハゴンドウ54頭

 このうち大地震が起きたのは、はたして何件でしょうか。その前に用語の定義です。ここでの「大地震」とは、一般的によく使われるマグニチュード7以上の規模の地震ということにします。

 また、期限はストランディング事例から1ヵ月以内、場所は隣接する都道府県の海域までを含めることにします。

 それでは結果です。検証でわかったのは、ストランディング事例があってから大地震が起きたのは、最後の2011年3月4日の事例のみということでした。(このときは東日本大震災が発生)

 つまり四分割表のAは1件しかなかったということです。なお、Bは22件、Cは59件、Dは51(※)という結果でした。(※【4月12日追記】ここでのDは打ち上げも大地震もなかった年を条件にしています。当初の数に誤りがあったため訂正しました)
四分割表2.jpg


 この結果からわかるのは、ストランディング事例と大地震はおそらく関係がない、ということです。もちろん大地震はいつ起きるかわかりません。明日、起きる可能性もゼロではありません。備えあれば憂いなしです。

 とはいえ、ことさらストランディング事例と結びつけて前兆現象だと考える必要はないのではないでしょうか。ストランディングの有無にかかわりなく、日頃からの備えが重要だと私は思います。
posted by ASIOS at 17:09| Comment(4) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Dって、意味のある回数が導き出せるのでしょうか?
Posted by 通りすがりの変な人 at 2015年04月12日 12:46
ここでのDは、打ち上げも大地震もなかった年を条件にしています。ただ、あらためて確認したところ数を間違えていまして、正しくは51でした。追記して訂正致します。
Posted by 本城 at 2015年04月12日 19:47
データ中の3分の1強(23件中8件)は今回と同じカズハゴンドウなんですね(しかもその半分近くが100頭を超えてる) 
鯨類の中でも環境の変化等に敏感な種類なのかもしれませんね
Posted by 雪だるま at 2015年04月13日 06:26
私もデータを調べていて、カズハゴンドウは多いなと思っていました。
2006年には国立科学博物館が調査を行っていまして、今回も原因究明のため、調査が行われるのかもしれません。
http://www.kahaku.go.jp/event/2006/07iruka/index.html
Posted by 本城 at 2015年04月13日 11:30
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