「ASIOS」―超常現象を懐疑的に調査する会―のメンバーによるブログ。

2008年11月21日

CSIと高校教師の協力例

こんにちは。蒲田です。

 米懐疑論者の総本山とも言えるCSIのSpecial Articlesというページに、ジュニアスケプティック的なエピソードが紹介されていました。高校教師からCSIに対して「生徒たちに懐疑的なものの見方を教えたいんだけど、協力して欲しい」という趣旨のメールがあって、CSIが協力したということのようです。

 はじめは、教室の後ろに「BE SKEPTICAL」というボードを貼りだして、そこに生徒が疑問を書いたとか。それから、生徒が自分たちで懐疑的な調査をして、6週間後には色々な疑問が解決されたみたいですね。

 とても面白い試みだなと思いました。日本でも、こういうのできないですかね?

Skeptical Inquirer aids high school science teacher and students

posted by ASIOS at 17:59 | TrackBack(0) | ジュニア・スケプティック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月14日

懐疑主義に入門するための6つのポイント

こんにちは蒲田です。

 前に紹介したジュニアスケプティック推薦図書『Maybe Yes, Maybe No』では、懐疑的な考え方について、平易に説明しています。せっかくなので、簡単に紹介してみようかと思います。ポイントは6項目。青少年向けとはいえ、これ、結構きちんとしてますよね。


Check it out : 調べよう
  聞いたり、読んだりしただけで信じちゃだめだよ
  もし、君や他の人が調べることができないなら、
  どうやって本当だってわかるのさ

Do it again : 繰り返そう
  一度だけ成り立ったからといって、それが本当かどうかはわからないよ
  偶然かもしれないし

Try to prove it wrong : それが間違いであることを証明してみよう
  間違いであることを証明する方法が思いつかないようなら、
  本当だってことも証明できないよ
  本当だっていうことを証明するのは、
  間違いを証明するより難しいことが多いしね

Keep it simple : 単純に保とう
  複雑な説明と単純な説明の両方ができるなら、
  殆どの場合は単純な説明を選ぶのがいいよ

It must make sense : 筋を通そう
  論理的に、注意深くね
  話が全然つながってなかったらだめだよね

Be honest : 誠実に
  嘘をついたら本当のことなんて分からなくなっちゃう
  なんだか分からない飛行物体を見たとき、
  宇宙人の乗り物を見たなんて教えるのも誠実じゃないよ


 こういうことをきちんと理解して実践できている人は大人でも少数派なんじゃないでしょうか。…いや、私も怪しいですね(笑)。
 小学生とか中学生とかにこんな追及されたら嫌になっちゃう大人も多いと思います。もしかしたら、こういう大人の気持ちがジュニアスケプティックを阻害する要因になっちゃうかもしれないですね。気をつけないと。

・関連エントリ
ジュニア・スケプティック推薦図書『Maybe Yes, Maybe No』

・関連ページ
おすすめ本レビュー(ジュニア・スケプティック)
posted by ASIOS at 18:00 | TrackBack(0) | ジュニア・スケプティック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月22日

ジュニア・スケプティックって…?

こんにちは。蒲田です。

 非常に基本的なところなのですが、書いていなかったと思いますのでジュニア・スケプティックの語源についてのお話をちょっと書いてみます。

 ジュニア・スケプティックは、その名前から想像できる通り青少年向けに懐疑とかクリティカルシンキングなどの考え方を伝えていこうという取り組みです。特別な言葉を使っているわけではないので、一般的な用語だと思われる方もいらっしゃるとおもいます。私も一般的な用語として使っています。

junior_skeptic_150.jpg しかし、"Junior Skeptic"はもともとマイケル・シャーマーのSkeptics Societyが発行しているSKEPTIC MAGAZINE誌のコーナーの固有名詞みたいなものだったんですね。英語版のWikipediaでも、"Junior Skeptic"の項目は、SKEPTIC MAGAZINE誌のものを説明する項目になっています。

 で、Skeptics Societyが"Junior Skeptic"という名前を使うようになった理由は、ザ・シンプソンズのリサが読んでいる本として登場してたのが"JUNIOR SKEPTIC MAGAZINE"だったからだとか。


posted by ASIOS at 09:00 | TrackBack(0) | ジュニア・スケプティック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月12日

ジュニア・スケプティック推薦図書『The Magic Detectives』

こんにちは。蒲田です。

 前回に引き続き『Inquiring Minds』で紹介されていた推薦図書の紹介です。今回はJoe Nickell(ジョー・ニッケル)の『The Magic Detectives』です。サブタイトルは「Join Them in Solving Strange Mysteries」で「一緒に不思議を解決しよう!」といったところでしょうか?

 英語は中学英語ぐらいだとちょっと厳しく、高校英語ぐらいができる人じゃないと読めないかもしれません(私の英語力では判断つきませんけれども)。私は、前回書いたように中学英語でも怪しい感じなのですが、ネタ元を知っているので辞書をちょこちょこ引きながら読みました。

 ASIOSの超常現象FAQみたいな感じで、不思議現象の説明とその簡単なデバンキングが30件ほど紹介されています。そして、最後には教師に対して、こんな感じで使ってねというお願いの文章があります(といってもほとんどが青少年読者向けの語り口のような気も・・・)。

 基本方針としては、ネタを提供してそれに対して、生徒同士で実際に行動することを推奨するという感じです。前回の『Maybe Yes, Maybe No』もそうでしたが、学校での「総合的な学習の時間」を対象にしているような雰囲気ですね。

 超常現象分野にちょっと詳しい人の場合は、ほとんどの内容について真相を知っていると思いますし、デバンキングの内容もジョー・ニッケルらしくないあっさりしたものですので、物足りない感じをうけるかもしれません。

 そんなわけで、あくまでジュニア・スケプティック参考文献です。

 ジュニア・スケプティックへどう取り組んだらいいのか?ということを考えたり、関連情報がないか調べたりしていると、どうも「一方的な情報提供ではダメ(つまり、書籍やWebページでの情報提供では限界がある)」という感じが強くしています。現役教師の方からの連絡もいただいていますので、協力してなんらかのアプローチをしていきたいなと考えています。

関連ページ
超常現象FAQ
おすすめ本レビュー
posted by ASIOS at 09:00 | TrackBack(0) | ジュニア・スケプティック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月29日

ジュニア・スケプティック推薦図書『Maybe Yes, Maybe No』

こんにちは。蒲田です。

 前回触れた『Inquiring Minds』では、授業提案と共に推薦図書なども記載されていました。推薦図書の1冊『Maybe Yes, Maybe No』を手に入れましたので、ちょっとだけ紹介してみようかと思います。サブタイトルは「A Guide for Young Skeptics(若い懐疑論者のためのガイド)」ということで、完全にジュニア・スケプティックのための本です。

 海外のジュニア・スケプティック向け推薦図書なので、当然すべて英語なのですが、とても平易な英語で書かれています(現地での対象年齢は小学生ぐらいのようです)。そんなわけで、中学生レベルの英語が読めれば普通に読める内容ではないかと思います。参考までに私の場合、中学英語レベルでも怪しいぐらいなのですが、辞書なしでもなんとかなる感じでした。

 タイトルは日本語訳すれば「そうかもしれないし、そうでないかもしれない」となります。懐疑論者は、調べもせずに超常現象が有ると言えないことを知っていますし、無いとも言えないことを知っています。


 「幽霊っているの?」「いるかもしれないし、いないかもしれない(Maybe Yes, Maybe No)」「でも、君の見たものって本当に幽霊でしか説明がつかないものなの?もっと単純な説明ができるかもしれないよ?」「さあ、調べてみよう!」


 …と、そんな感じのやりとりが、前半のマンガで表現されています。最低限のポイントに絞り込んでSkepticの考え方を書いていて、なかなか分かりやすい感じです。ただ、海外らしくSkeptic(Andrea)のツッコミが直接的な表現なので、日本人としてはちょっとだけキツ目に感じるかもしれません。

 「これを読んで理解しよう」とか「納得しよう」という内容ではなく、「これをきっかけに考えよう」という構成になっています。まさに「問題解決学習」のネタ本といった感じです。

 後半は科学的に考える際のポイントを簡単に説明しています。科学的方法の導入としては、うまくまとまっていると感じました。

 ところで、ASIOS公式サイトのおすすめ本レビューのページにあるジュニア・スケプティックもなかなかの良書揃いですので、懐疑論に入門したい方は、是非手に取ってみてください。
posted by ASIOS at 09:00 | TrackBack(0) | ジュニア・スケプティック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月14日

海外でのジュニア・スケプティックに対する取り組み

こんにちは。蒲田です。

 日本ではあまり聞く事のない「ジュニア・スケプティック」ですが、海外では具体的な活動を見ることができます。

 例えば、CSI(元CSICOP)も全面的に協力しているジュニア・スケプティックの取り組みがあります。『Inquiring Minds』というのですが…今確認したらドメインの有効期限が切れたのか、行方不明になっていました…orz
 CSIのWebサイトからもリンクは貼られたままなので、なくなっていないことを祈ります。

 気を取り直して、『Inquiring Minds』がどんな活動をしていたか、私のメモを元に触れてみたいと思います。

 『Inquiring Minds』は、日本で言うと「総合的な学習の時間」の時間にやれそうな授業の提案を行っていました。学習のレベルとしては中学生ぐらいを対象としていたように思えます。

 特徴的なのは、超常現象を題材にして科学的思考を身につけようという方針になっていることです。授業の進め方の案などがあり、内容を見る限り「問題解決学習」の形をとっているようです。

 青少年向けの推薦図書なども紹介されていました。

 日本での「科学教育」の現状を見てみると、教育関係者は理科の楽しさを教えることで、子供たちに探究心が芽生え、その探究心を育てることで、健全な批判能力も育つだろうと考えているような印象を受けます。

 私もそういった取り組みは非常に重要だと思います。しかし、それに加えてもっと具体的な科学的思考・批判に触れる機会も必要なのではないか、また、そういった活動にASIOSが協力できればと考えています。

 もし、こういった取り組みに興味をもたれた教育関係者の方がいらしたら、情報交換をしていきたいと考えていますので、ASIOS公式サイトの問い合わせフォームからでもいいですし、私への直メール(左のメニューからリンクされている私のページにメールアドレスが出ています)からでもいいですのでご連絡ください。
posted by ASIOS at 17:30 | TrackBack(0) | ジュニア・スケプティック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月01日

夏休みの工作にどうですか?「エイムズの部屋」

こんにちは、蒲田です。

 まずは動画をご覧ください。かなり不思議な動画ですよね。これは『エイムズの部屋』と呼ばれているものです。



 錯視の一種ですね。本当は部屋自体がゆがんでいるのですが、脳は部屋が歪んでいないと判断してしまっているため、人が大きくなったり、小さくなったり見えているわけです。

 実際に自分で作って見たい場合は、以下のようなところで、エイムズの部屋の展開図を手に入れることができます。夏休みの工作なんかにいかがでしょうか?

http://www.h7.dion.ne.jp/~tankyu/jikken/ames_dl.html
http://homepage3.nifty.com/maruhi/materials/amesroom/index.html


 ここで終わっても、それなりに面白いと思うのですが、もうちょっとだけ入り込んでみましょう。

 Kilpatrickという研究者の実験では、エイムズの部屋の内部を棒で触らせたり、部屋にボールを投げ入れたりということを行いました。すると、その前までは普通の四角い部屋に見えていたものが、本来の歪んだ部屋に「見える」ようになったということです。

 オリヴァー・サックスの『火星の人類学者』(「「見えて」いても「見えない」」の章)でも、長年目が見えなかった人が手術を行い、見えるようになったはずなのに「見えない(見えたと認識できない)」という症状が紹介されています。この人も、自分の手で見ているものを触って初めて、それがどういったもので、どんな形をしているのか認識できたといいます。

 つまり、「見える」というのは、目から入った光の情報だけではダメで、色々な他の情報も使った上で初めて「見える」というわけです。

 単に「見る」ということだけでも、脳の中ではかなり複雑な情報処理をやっているようです。体験談の話なんかでは、人間は「見たものをそのまま(ビデオカメラのように)記憶しているわけじゃないんだよ。」なんて話が出るときがありますが、記憶の前の「見る」ということすら、ビデオカメラとはかなり違うようですね。
posted by ASIOS at 18:00 | TrackBack(0) | ジュニア・スケプティック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月27日

ジュニア・スケプティックへの取り組みについて

 こんにちは。蒲田です。

 私は、ASIOSのメンバー紹介ページで「ジュニア・スケプティック啓蒙部門の統括責任者」という大きな肩書きで紹介されています。志も名前に負けずに大きいのですが、知識など様々な面でまだまだ未熟な状態です。今は色々と勉強しているところです。
 ASIOSの活動として、まだ殆ど見えていないジュニア・スケプティック(懐疑的思考を操れる青少年の育成)について考えていることを軽く書きたいと思います。

 ジュニア・スケプティック活動としてしていきたいことは以下の二点です。
1. クリティカルシンキングの普及

 クリティカルシンキング(Critical Thinking)は日本では批判的思考と訳されています。ただ、「批判」という言葉が持つイメージが、クリティカルシンキングでの「クリティカル」とはだいぶ違うため、日本語に訳さず、そのままクリティカルシンキングと呼ぶ人もいます(「懐疑」も結構誤解されてますよね…)。

 簡単にいえば「十分な調査・知識を基礎に置いた、合理的・論理的な考え方」といった感じです。もっと簡単に言えば「良い考え方」でしょうか。ただ、ちょっと1文で表すのは難しいと感じるような、とても深いものです。

2. 超常現象探求(真相追求)を楽しむ青少年の育成


 クリティカルシンキング的な良い考え方を使って、超常現象の謎を解き明かすことを楽しむ青少年を育成したいと考えています。私たちと一緒に楽しんでくれる仲間の育成ですね。

 超常現象の話をメディアが流した通りに信じるよりも、その裏側にある様々な裏事情を知ったほうが絶対に楽しいという事を知ってもらって、実際に楽しんでもらいたいですね。

 そうやって身につけた真相追求の力は、日常生活の他の事にも色々使えるものですから、損はないはずですよ。

 逆にやりたくないこともあって、これが活動を難しくしている要因でもあったりします。それは、超常現象と聞いただけで調査も何もせずに「どうせ嘘でしょ」とか「超常現象なんてアホらしい」と考えるような人を出してしまうことです。
 私たちは、このように考えてしまう人も、超常現象を簡単に信じてしまう人と同じだと考えているからです。


 「試行錯誤でいいから何かやっていこう」という話も出ていますので、失敗しながらかもしれませんが、ジュニア・スケプティック活動も進めていければと考えています。
posted by ASIOS at 17:54 | TrackBack(1) | ジュニア・スケプティック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする