「ASIOS」―超常現象を懐疑的に調査する会―のメンバーによるブログ。

2015年04月11日

4月12日に大地震が起きる?【訂正あり】

【4月12日追記】 本文の後半で示す四分割表のDの数が誤っていました。正しくは51です。お詫びして訂正致します。

 本城です。
 最近、話題になっているニュースがあります。

「茨城の海岸にイルカ150頭、打ち上げられ衰弱」(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150410-00050070-yom-soci

 このニュースには心が痛みますが、これに関連して、4月12日に大地震が起きるのではないかという噂が広まっています。これはゲリー・ボーネルという人の予言と、東日本大震災の前にも似たような事例があったことから噂されているものです。

 さてボーネル氏の予言とは、ざっと以下のようなものですが、彼の予言の検証については、また別の機会にまとめてやる予定です。
http://spotlight-media.jp/article/131910398681010802

 今回はもう一つの、打ち上げ(ストランディング)事例と大地震の関係について取り上げたいと思います。

 まずこうした事例では、「イルカなどが海岸に打ち上げられた」ことと、「大地震が起きたこと」が結びつけられて考えられがちです。もちろん二つとも目立つ事例ですから、この二つが起きれば、何か関係があるのではないか、と考えてしまうのも無理はありません。

 しかしここで見落としてはならないのは、その他の事例はどれくらいあるのか、ということです。これを考えるのに便利なのが四分割表です。

四分割表.jpg


 今回のような事例を大地震の前兆現象だとするならば、表のAが他の三つに比べて特に多くなるはずです。以下で検証してみましょう。

 幸い、国内のストランディング事例はデータベース化されています。ここでは下関鯨類研究室のデータベースを利用させていただくことにします。

 さて検証の前にデータベースを見て驚くのは、ストランディングの事例は思っていたよりかなり多いということでしょうか。決して滅多に起きないことではなく、定期的に起きているということがわかります。

 ただし数が多すぎるため、ここではニュースになるような数として、10頭以上が打ち上げられた事例に絞ることにしました。その結果、データベースにある1901年〜2012年までに起きた事例は、次の23件であることがわかりました。

1924or1925年3月21日、北海道枝幸郡目梨泊ソセツの浜、シャチ13頭
1927年12月1日、茨城県波崎海岸出洲、カズハゴンドウ113頭
1928年12月24日、千葉県銚子町新生地先利根川河口、カズハゴンドウ120頭
1929年6月11日、東京都大島新島本村前浜1マイル沖(伊豆諸島)、バンドウイルカ3000頭
1929年10月26日、秋田県由利郡平澤町琴ヶ浦、コビレゴンドウ15頭
1929年11月16日、茨城県鹿島郡鹿島町(現・鹿嶋市)平井海岸、スナメリ16頭
1966年12月13日、千葉県利根川河口一の島灯台近く、コビレゴンドウ100頭
1979年11月7日、神奈川県小田原市国府津−早川(相模湾)、アカボウクジラ13頭
1981年2月15日、長崎県壱岐郡勝本町、カマイルカ24頭
1982年1月6日、宮崎県宮崎市青島海岸、カズハゴンドウ、135頭
1986年9月16日、長崎県壱岐郡石田町筒城(塩津浜)、オキゴンドウ123頭
1990年2月19日、茨城県鹿島郡鹿島町(現鹿嶋市)明石海岸、カズハゴンドウ30頭
1990年11月2日、長崎県南松浦郡三井楽町白良ケ浜(五島列島)(福江島)、ハナゴンドウ582頭
1993年10月20日、長崎県南松浦郡有川町七目郷蛤浜(五島列島)、オキゴンドウ100頭
1998年5月17日、山口県下関市安岡海水浴場、スジイルカ24頭
2001年2月11日、茨城県鹿島郡波崎町、カズハゴンドウ53頭
2002年2月24日、茨城県鹿島郡波崎町柳川海岸、カズハゴンドウ24頭
2002年2月24日、茨城県鹿島郡波崎町波崎海水浴場、カズハゴンドウ85頭
2004年8月24日、沖縄県宮古郡伊良部町渡口の浜(宮古列島)、マダライルカ19頭
2006年1月23日、千葉県旭市行内飯岡海岸、カズハゴンドウ26頭
2006年2月28日、千葉県長生郡一宮町東浪見、カズハゴンドウ67頭
2008年8月11日、沖縄県宮古郡多良間村水納島、コビレゴンドウ40頭
2011年3月4日、茨城県鹿嶋市下津海岸、カズハゴンドウ54頭

 このうち大地震が起きたのは、はたして何件でしょうか。その前に用語の定義です。ここでの「大地震」とは、一般的によく使われるマグニチュード7以上の規模の地震ということにします。

 また、期限はストランディング事例から1ヵ月以内、場所は隣接する都道府県の海域までを含めることにします。

 それでは結果です。検証でわかったのは、ストランディング事例があってから大地震が起きたのは、最後の2011年3月4日の事例のみということでした。(このときは東日本大震災が発生)

 つまり四分割表のAは1件しかなかったということです。なお、Bは22件、Cは59件、Dは51(※)という結果でした。(※【4月12日追記】ここでのDは打ち上げも大地震もなかった年を条件にしています。当初の数に誤りがあったため訂正しました)
四分割表2.jpg


 この結果からわかるのは、ストランディング事例と大地震はおそらく関係がない、ということです。もちろん大地震はいつ起きるかわかりません。明日、起きる可能性もゼロではありません。備えあれば憂いなしです。

 とはいえ、ことさらストランディング事例と結びつけて前兆現象だと考える必要はないのではないでしょうか。ストランディングの有無にかかわりなく、日頃からの備えが重要だと私は思います。
posted by ASIOS at 17:09| Comment(4) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月06日

千葉県で撮影されたUFO

 本城です。
 先月の11日、矢追さんのブログにて、千葉県で撮影されたというUFOの写真が紹介されていました。今回はその検証記事です。

 まずは問題の写真をご覧ください。(矢追純一オフィシャルブログより)

o0800114611909869147.jpg


 ブログによりますと、撮影者の方は昨年1月に千葉県へ旅行に行き、タワーホテルの30階のベランダから夕焼けを数枚撮影。その際、1枚だけに奇妙な発光体が写っていたといいます。

 確かに、写真には平べったい発光体が確認できます。しかしこの写真をよく見ると、屋内から撮影したにしては違和感を感じました。次のように明るさとコントラストを変えてみると縦に写り込みのようなラインが確認できるからです。

矢追さんのUFO・調整.jpg


 また問題の発光体もダウンライトの写り込みに見えます。つまり、この写真はベランダから撮影されたものではなく、室内から窓越しに撮影されたものであるように思われました。

 室内の照明が窓に反射した像はUFOと誤認されることがあります。たとえばよく撮れているこちらの写真。左側には室内のものが写り込んだ縦のラインもあって問題の写真と似ています。

 ただし今回の写真が室内からの写真だと考えるには、いくつか確認しなければならない点があります。写真の左下にはベランダの手すりが写っていますが、この位置に写るには手すりと窓際は比較的近い必要があること。また撮影された部屋にダウンライトはあったのか、という点などです。

 それらを確認するには撮影されたタワーホテルを特定する必要があります。残念ながら矢追さんのブログにはホテル名が書かれていませんでしたが、私が調べたところでは、千葉県鴨川市にある鴨川グランドタワーが記載されている条件に最も一致しているように思われました。

 ここは千葉県内で30階以上、海沿いに立地しており、グーグル・アースから見た風景もよく似ています。

google_earth.jpg


 また、FacebookにてGetter Shownさんが見つけてくださった鴨川グランドタワーを紹介する動画にも、問題の写真とよく似た風景が確認できます。

部屋.jpg

 そこで私は、鴨川グランドタワーに直接問い合わせてみることにしました。ホテルの方であれば、写真に写る風景がそのホテルからのものかわかると思ったからです。結果は「ほぼ間違いない」とのことでした。あとは手すりとダウンライトです。

 動画を見ますと、室内の天井にはダウンライトがあり、窓際から手すりの位置も比較的近いように見えます。これもホテルに問い合わせて確認してみました。

 まずベランダの手すりについては、窓に近く、問題の写真のように撮影可能だと思われる部屋(ロイヤルスイートルームとコンドミニアム)はあるそうです。さらにダウンライトも、そのベランダが近い部屋(居間)の天井に4個あるといいます。

 確かに、動画の居間にもダウンライトが確認できます。
ダウンライト1.jpg

 平べったく、立体感がないところがよく似ているのではないでしょうか。
 なお撮影者の方によれば撮影時に一枚しか発光体は写っていなかったそうですが、それは発光体の背景がポイントであるように思います。

 室内の照明が窓に反射して写るには、基本的に窓の外に暗い部分が必要です。問題の写真を見ると、発光体の背景は暗い雲です。しかし、その下は明るい空になっています。

 おそらく撮影する際にカメラの位置がずれれば、発光体(ダウンライト)が写る位置も変わり、窓の反射像として写らない(もしくは、うっすら写っても気づかない)可能性があります。それが複数枚撮影したうちの一枚にしか写っていなかった理由ではないかと。

 もしくはベランダで撮影した写真と室内から撮影した写真があったのかもしれません。撮影者の方によれば全部ベランダから撮影したそうですが、撮影後に思い出す記憶というのはあてにならないものです。

 心霊写真の検証などで撮影者の記憶違いがわかったことはよくありますし、今回は室内の写り込みのようなものも確認できますので、室内から撮影されてダウンライトの反射像が写った可能性が高いように思います。

 ただし今回は再現写真がまだ撮れていません。できればすぐにでも確認したいところですが、いかんせん撮影場所と予想される部屋がかなり高いので簡単にはいかないのが現状です。そのため上記の可能性は断定はせず、今後の課題としたいと思います。いずれ再現写真を撮って検証できれば追記します。
posted by ASIOS at 17:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月13日

本物とニセモノの見分け方?

 本城です。
 先日、スピリチュアリストとしても有名な美輪明宏氏が、下記の『女性自身』にてインチキ霊能者について語っていました。

「美輪明宏『みんな職業でやってる』とインチキ霊能者を語る」

 私はこれを読んで、とくに最後の「もちろん霊能者や占い師のなかにも本物はいますが、本物は膨大なお金を要求したりしません。そんな連中は偽者。嘘八百、ほとんどインチキです」という箇所が引っかかりました。

 大金を要求する霊能者などに気をつければ、ニセモノに騙される可能性は低くなるのでしょうか? そんなことはありません。

 2007年に内閣府が発表した資料によると、霊感商法を含む悪質商法の被害額で最も多い金額帯は1万円以下で、さらに少額帯の5万円以下まで含めれば全体の約40%を占めているのが実態です。

 つまりイカサマ師だからといって大金を要求するとは限らなくて、実際は低い金額で騙す手口も多いことがわかります(こういう小規模な詐欺をショート・コンと言います)。金額が低ければ客の警戒心は弱まりますし、もしインチキがばれても、手間を考えて泣き寝入りする可能性もあります。イカサマ師にとっては大金を要求する手口よりも安全なんですね。

 また賢いイカサマ師の場合、大金を狙うにしても、最初からその金額を要求するようなことはせず、最初は無料相談や少額での要求から入っていくのが普通です。

 これは「段階的要請法」と呼ばれるもので、人は大きな要求をいきなり突きつけられると断る傾向が強いものの、小さな要求から入って、少しずつ要求を上げていくと断りにくくなる、という性質を利用しています。

 ですから金額の高い低いを基準に考えるのは、インチキの見分け方として筋がいいとは思いません。

 また、不安を煽るかどうかというのも、見分け方としてイマイチだと思っています。もちろんイカサマ師にとって有効な手口のひとつだとは思うのですが、古今東西、イカサマを行ってきたサイキックたちの中には、不安を煽らないタイプもたくさんいました。

 むしろそういうタイプの方が、狙った客の周りの人たちも含めて信用させてしまう場合が多く、結果的に手遅れになるケースも多いくらいです。

 そういったわけで最後に言わせていただければ、イカサマ師は金額が高かろうが低かろうが、不安を煽ろうが煽らなかろうが、どんなところにもいる、ということです。身も蓋もなくてすみません。
posted by ASIOS at 11:25| Comment(4) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月01日

2010年の予言は当たったのか?

 本城です。
 新年おめでとうございます。ASIOSは昨年、イベントを開催し、本を2冊書き、他にもいろいろな企画に協力させていただいた一年となりました。
 今年はすでに1月下旬と春頃にそれぞれ新刊が出る予定があります。昨年に劣らぬよう地道に活動を続けていくつもりですので、どうぞよろしくお願い致します。

 さて、新年最初は2010年に残っていた日本に関する予言の検証です。言いっぱなしはまかり通りません。

【ジュセリーノ】
× 川崎市で大地震が起きる。
× タバコ一箱の値段が10ドルに値上がり。
× 消費税は35%に上昇。


【マクモニーグル】
× 初夏に長野市の北東35キロで震度7の地震が起きる。
× 晩夏に13メートルの津波が日本を襲う。
× 東京の繁華街の大手デパート前で正午から午後1時の間に
  イスラム過激派による大規模な爆弾テロが起きる。
 

 結果は全部はずれでした。来年も正月に検証したいと思います。
posted by ASIOS at 10:01| Comment(6) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月29日

未来予測の検証

 本城です。
 先日「ビートたけしの超常現象 Xファイル」を紹介しました。今回はその番組で放送されたリオー・スシャールのパフォーマンスの中にて、具体的に検証可能なものがあったのでそのことについて書きたいと思います。

 まず私が検証の対象としたのは、リオーの「未来予測」というものです。これは新聞紙を使った予言の一種で、手順を大まかに説明すると次のようになります。

 1.100部以上の様々な新聞を番組が用意し、番組アシスタントの江口ともみにその新聞の山に手を置いてもらう。
 2.リオーが江口ともみの目を見て、ある単語を読み取り、紙に書いて封筒に入れる。
 3.封筒はテープで封をしたあと、たけしと大槻教授にサインしてもらう。
 4.封筒は大槻教授に渡す。
 5.山のように積まれた様々な新聞の中から、大槻教授に好きな新聞を選んでもらう。
 6.選ばれた新聞を江口ともみに渡し、その中から見開きページを自由に選んでもらう。
 7.選ばれた見開きページのうち、右か左か好きなページを選んでもらう。
 8.江口ともみは左のページを選ぶ。
 9.リオーが新聞を受取り、右側ページがカメラの方、
   左側ページがリオーの方に向くように2つ折りにする。
 10.江口ともみに新聞を渡し、リオーも左手で新聞を持つ。
 11.リオーの指を伸ばした右手を江口ともみに握らせ、その指を使って好きな単語を選んでもらう。
 12.選ばれた単語をホワイトボードに書いてもらう。選ばれた単語は「ホテル」。
 13.大槻教授が1で予言された封筒を開ける。
 14.封筒の中の紙には「ホテル」と書いてある。
  (「ホテル」という単語は2番のときの筆の動きを見ると、「ホテ」という字までは確かに書いている。その後はカット)


 以上です。リオーからすれば、途中で何度も出演者が自由意志で選ぶ手順が含まれているにもかかわらず、選ばれる単語を予言できたのだから超能力だと主張したいようです。

 しかし放送内容をよく見るとわかるのですが、紙面にあるはずの「ホテル」という単語は一度もカメラに映りませんでした。そればかりか、江口ともみが選んだ左側のページ自体が一度もカメラに映りませんでした。

 これは明らかに不自然です。そこで私は、番組で選ばれた新聞に「ホテル」という字が本当に記載されているのか検証することにしました。幸い、番組では選ばれた新聞の一面が映っています。そこから確認してわかるのは、選ばれた新聞が2010年10月10日付けの『朝日新聞』だということです。

 次に、上記9番以降の手順にて、江口ともみが選ばなかった見開きの右側のページが確認できます。その映像をもとに10月10日の朝日新聞を確認していくと、26面に同じ構成の紙面が見つかりました。番組と同じく見開きの右側にあるページです。ということは対になる左側のページが、番組で選ばれたページになります。

 ただしここで注意が必要です。朝日新聞では同じ日付けでも地方によって内容が異なります。具体的には東京、大阪、西部、名古屋、北海道と5つに分かれます。私が朝日新聞に問い合わせて調べてもらった結果によれば、10月10日付けの26面の記事のうち、番組と同じ紙面構成だったのは東京本社によるものだけでした。(版の違いも含めて)

 つまりそこから最終的にわかるのは、番組で選ばれたのが2010年10月10日付け東京版『朝日新聞』の13版、第27面だということです。果たしてこのページに「ホテル」という単語は記載されているのでしょうか?

 早速、該当の紙面を検証してみた結果は……















 載っていませんでした。どこにも「ホテル」という単語はありません。つまり、このパフォーマンスでリオーは予言していたわけではなかったということです。

 では、載っていない単語をどうやって江口ともみに言わせたのでしょうか? 考えられる方法は2つあります。ひとつはサクラ。しかし、もしサクラであれば9番の手順は明らかに不要でしょう。リオーの指を使って選ばせる必要はないです。リオーが関わらないもっとシンプルな手順ができるはずです。したがってサクラの可能性は低いと考えます。

 私としてはもうひとつの方法として、リオーがどこかの場面(※)であらかじめ用意していた別の紙面を密かに出し、27面に重ねたのではないかと考えました。当然、その紙面には「ホテル」という単語が記載されているはずです。場所もわかっているでしょうから、自分の指を握らせてマジックでいうフォース(自由に選ばせているようにみせて実は強制的に選ばせるテクニック)の要領で「ホテル」という単語を選ばせたのではないでしょうか。

※可能性がありそうなのは6番の場面。リオーが「ウェイ、ウェイ!」(待って、待って!」と言いながら江口ともみの作業を止めており、そのあとのシーンは少しカットされている。
 

 ただ残念ながら、一連のパフォーマンスでは途中の映像が何度かカットされているため、上記の方法を行ったとハッキリわかるような場面はありません。あくまでも推論です。他の方法もあるかもしれません。しかし番組で選ばれた2010年10月10日付け東京版『朝日新聞』の27面には、予言された「ホテル」という単語がないことは確かです。
posted by ASIOS at 22:19| Comment(12) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月22日

ジュセリーノ:2009年以降の日本の予言

 本城です。
 ブラジルの予言者ジュセリーノが、5月14日に東京で大地震が起きると予言していたようです。(知人が指摘しているのを先日見て思い出しました)

 確認してみると、確かに『未来予知ノート』(ソフトバンククリエイティブ・2007年)の中で予言しています。ところが久しぶりに読み返して気づいたのですが、これ以外にも2009年、2010年の予言がいくつかありました。残念ながら今回は他の国の予言まで調べる時間は取れないため、日本に絞って検証した結果を次のとおり示します。

【2009年】
× 1月25日に大阪・神戸でM8.9の地震。死者数十万人。
× 11月17日に大阪・神戸でM8.2の地震。死者数千人。
× 過去に類を見ない巨大台風の直撃を立て続けに受ける。
× 2016年のオリンピック開催国は日本に決定。

【2010年】
× 5月14日に東京でM7.7の大地震。
 ワールドカップ南アフリカ大会の日本代表監督は2007年10月初め時点の監督と違う人。

 当たったのは6件中、1件でした。やはり相変わらず具体的な予言は外れる傾向が強いようです。

 ちなみに近々結果がわかるものも含め、2010年の予言は他にもありますので以下に紹介しておきます。このうち平均寿命がわかるのは2年後くらいですが、他は来年にはわかっているので、年が明けたらまた確認したいと思います。

・ワールドカップ南アフリカ大会で日本代表は準々決勝まで勝ち残れない。
・ワールドカップ南アフリカ大会で1位になるのはドイツ、2位はフランス、3位イタリア、4位ブラジル。
・9月15日に東京と横浜でM8.4の地震。死者7万人以上。
・タバコ一箱の値段は10ドルに値上がり。
・消費税は35%に上昇。
・平均寿命は73歳まで落ちる。
・川崎で大地震が起きる。
posted by ASIOS at 14:35| Comment(5) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月23日

ランディの100万ドル・サイキックチャレンジが存続へ

 本城です。
 以前、ジェイムズ・ランディの紹介記事でも少し触れたサイキックチャレンジが2010年3月に終了してしまうという件ですが、その後に新たな発表がありまして、来年3月以降も存続することになったそうです。

 もともと続行の話を知ったのは、アメリカの懐疑団体CSIが発行している雑誌『Skeptical inquirer』(July/August 2009)に載っていたランディの講演の様子を紹介している記事がキッカケでした。その中で、「サイキックチャレンジは2012年に終わるはずだ」と言った後で、「しかしこれからも続くだろう」といったことが紹介されていたのです。

 前段の2012年に終わるというのは、おそらくマヤの予言にかけたシャレでしょう。その後でこれからも続くと言っているのですから、サイキックチャレンジの終了を見直すことにしたのだと考えられます。

 そこで、ジェイムズ・ランディ教育財団の公式サイトでもそのような発表をしていないか確認してみたところ、今年の7月29日付けで理事長のフィル・プレイトが、サイキックチャレンジの終了撤回を発表している記事を見つけました。

 それがこちらの記事です。
「Million Dollar Challenge Update: It's not ending! 」

 記事によると、来年3月以降も続けるけれど、これを機にスリム化してもっと効率的なテストが行えるようにディスカッションしている最中のようです。

 ランディのサイキックチャレンジはこの種のテストでは最も有名で注目もされていますから、この企画の存続が決まってさらに洗練されるのでしたら歓迎したいところです。
posted by ASIOS at 20:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月12日

「2012年終末説の真実」

 本城です。
 最近は映画も公開されることになって何かと話題になることがある「2012年終末説」。これについて、ナショナルジオグラフィックチャンネルが「2012年終末説の真実」と題した懐疑的な特集を組んでいます。今回はそれを紹介したいと思います。

 記事は全部で7つ。それほど長くないので読みやすいです。

「恐怖心をあおる2012年終末説ブーム」

2012年終末説の真実:マヤの予言

2012年終末説の真実:マヤの絵文書

2012年終末説の真実:大陸大移動

2012年終末説の真実:太陽フレア

2012年終末説の真実:銀河直列

2012年終末説の真実:“惑星X”
posted by ASIOS at 19:00| Comment(6) | TrackBack(1) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月20日

ニューチルドレンたちの予言

 本城です。
 先日、昔のオカルト雑誌を読み返していたら、『ボーダーランド』(1997年6月号)の中に面白い予言記事を見つけました。タイトルは長いですが、「史上最年少!? 5歳児コンタクティーの超次元メッセージ『5年後に地球滅んじゃうよ。でも大丈夫、元通りにもどるから』― 世紀末に急増する“ニューチルドレン”の知られざる素顔とは?」です。

 記事では、当時5歳だったN少年を史上最年少コンタクティー(宇宙人とコンタクトする人)と位置づけ、彼が宇宙人から教えてもらった予言を紹介しています。当時、テレビなどにも出ていたのでご存じの方もいるかもしれません。

 内容を簡単にまとめると次のようなものです。
・N少年が10歳になる時(2002年)、地球は何もかもドロドロに溶けてしまう。
・しかし2人の宇宙人が迎えに来てくれるので、その宇宙人の知り合いや友人は死なずに金星へ行く。
・その後、宇宙人からもらった種をまき、地球はゼロから再スタートする。
 予言は全部外れていますが、興味深いのはコンタクティーやニューエイジ系の人たちがよく言う予言の特徴が、ご多分に漏れずこの予言にも含まれている点です。つまり、「地球の大異変」「宇宙人のような存在による救済」「リセット」などです。

 これはN少年の予言だけではありません。『ボーダーランド』の記事では、育児文化研究所の谷口氏や、七田チャイルドアカデミーの七田氏などのエピソードをもとに、次のような話を紹介しています。

 いわく、世紀末に向けて超常的な能力を持った「ニューチルドレン」が生まれ、彼らは口々に「近いうちに地球には異変が起こり、宇宙人が訪れて地球人に宇宙学や愛についての心の教育を行う。その結果、地球人はかなり精神的なレベルアップを遂げる」というのです。

 しかし、彼ら「ニューチルドレン」たちが予言したことは何も起こりませんでした。ところが彼らの予言していたような話は現在でも下火にならずによく聞きますね。

 そう、アセンション(高次元への進化)と絡めた2012年のマヤ暦の予言です。結局10年以上経っても、言っていることは同じ。それどころか、こういった終末論は紀元前の時代からありますから、もう2000年以上、ずっと同じようなことを繰り返しているんですね。

 一体いつ人類はアセンションするんでしょうか? 過去を反省して別の意味でアセンションしたほうがいいのは予言者自身だと思うのですが。

 ともあれ世紀末で失敗して以来、最有力の時期は今のところ2012年のようです。ただ私としては、「10年後も同じような終末予言が言われている」と“予言”しておきたいと思います。
posted by ASIOS at 20:55| Comment(12) | TrackBack(1) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月27日

ゲルマニウムは効果なし

本城です。
25日に国民生活センターから、「体に良いとうたうゲルマニウム使用のブレスレット」について調査結果が公表されました。より詳しい内容はPDFファイルで確認できます。

それによるとテストした12銘柄のうち、ゲルマニウム含有量が95%以上だったのは4つだけ。他は1.4%がひとつ、1%以下が6つ、残りの1つはゲルマニウムが検出されなかったそうです。(こんな実態にもかかわらず、商品の表示ではゲルマニウム量に関して「99.99%」や「純度99.999%」などと書いていた)

さらに、ゲルマニウム自体の作用によって健康に対する何らかの効果を示すという明確な科学的根拠はないことも示されています。

また調査によると、製造・販売者がゲルマニウムの効果に関する資料を所有していないにもかかわらず、販売している商品の表示ではメーカーや仕入れ業者より入手した資料をもとにしている、と矛盾した回答をしている販売業者がいることも判明。呆れますね。

さて今回の発表では、とくに下記の「消費者へのアドバイス」が重要だと思いますので最後に紹介しておきます。

「テスト対象銘柄に表示されていたゲルマニウムの健康への効果は、文献調査及び製造・販売業者に対するアンケート調査を実施したところ、根拠となる科学的データが確認できなかった。ゲルマニウムブレスレットを購入する人は健康への効果を期待すべきではない」
posted by ASIOS at 14:59| Comment(13) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月26日

オードリーの宗教的位置づけ

こんにちは。蒲田です。

 入院・手術などがありまして、間が開きましたが前回書いた聖痕事例の続きです。

 オードリーの宗教的位置づけというのは理解し難いものだと思いますので、私もそんなに信仰について詳しいわけではないのですが、軽く説明してみましょう。

 オードリーは周りの人からvictim soul(宗教的な 生贄 いけにえ)と理解されています。他の人のために苦難や痛みを一手に引き受ける人物として位置付けられているということです。オードリーが苦難を引き受けてくれているからこそ、みんなが平和な日常を送れるというわけです。

 なぜ、こういった位置づけになっているのかについては、国や宗教を問わない考え方がベースにあります。それは「何も悪いことをしていないのに、不幸が降りかかるのは非合理だ」といったような考えです。ここから進んで「不幸には何らかの合理的な理由がある」と考えに到達します。

 ある文化では、前世に理由を求めますし、ある文化では親や先祖の行いに理由を求めます。「生まれ変わりの時に、魂のレベルを上げるために現世の試練を設定する」なんて話もありますね。他にも「悪いことなんかしてないのに起こった悪いこと」に関する無数の解釈があると思います。細木数子の大殺界なんかも、こういうところで非常に使いやすいからこそ、流行ったわけです。

 こういったように、運に左右されることですら、過度に合理的な理由(一部の人に合理的に見えるだけともいう)を求めてしまうというのは、何も宗教に関したことだけではありません。例えば経年劣化で壊れた機械であっても、そのとき使っていた人に原因があると考えたりするのもこういった傾向の一種です。いわば、人間の基本的な性質というべきものです(進化論的な説明をつけるのも面白そうですが、やめておきます)。

 オードリーは不幸にも植物状態になってしまったわけですが、運が悪かったのであって誰が悪いというわけではないでしょう。しかし、結果が重大なために、「運が悪かった」では納得いかないわけです。オードリーは3歳という、罪を犯すような年齢じゃない時点で事故にあったため、オードリーに原因を求めることはできません。キリスト教では輪廻の考えはありませんから、前世に求めることもないでしょう(宗教のごった煮になっている場合があるので、キリスト教でも前世を信じている人はいるらしいですけれど)。

 これはキリストの死とも同じです。罪のないはずのキリストが殺された。だから、そこには合理的な理由があるはずだ!というわけです(それまでは、宗教において神聖な存在が悪くもないのに苦しむという発想はなかったらしいです)。ということで「みんなの罪を背負って死んだのだ」と、キリストの死に「合理的」な説明をつけることになったんですね。

 つまり、オードリーがvictim soulだというのは、オードリーとキリストの「役割」を同一視しているということなんです。オードリーを愛する人は、そういう理屈をつけることで無理矢理納得しているという状況でしょう。

 ここに懐疑論者が踏み込んで否定してしまうという意味を考えてみると「超常現象の懐疑論者が扱うには難しい問題なんですよね。」と書いた意味がもっとよく理解してもらえるのではないでしょうか。日本だったら可能かもしれませんが、宗教に対する敬虔さを善良さと評価する国では難しいことでしょう。
posted by ASIOS at 17:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月27日

聖痕現象の一事例

こんには。蒲田です。

 『ASIOSの活動状況について』でもチラッと触れていますが、ASIOSメンバーで執筆した本を出版する企画が進んでいます(来月出版されるはず)。私もいくつか項目を担当したのですが、その中のひとつ『聖痕現象(Stigmata)』について、原稿では触れられなかった内容があったので紹介してみます(聖痕現象というのは、キリストが磔にされた際にできた傷と同じ場所に傷が現れるという奇跡のことです。)。

 それは、オードリー・サントの聖痕事例です。聖痕現象の多くは、聖痕者が行っている「自傷」又は「トリック」が原因だと考えられています。しかし、オードリー・サントは3歳の時に遭った事故によって、話すことも動くことも全くできなくなってしまいました(無動性無言。いわゆる植物状態と解釈していいのではないかと思いますが、正確なところはわかりません)。つまり、オードリー・サントの聖痕はオードリー自身が行っている「自傷」でも「トリック」でもないことがはっきりしています。このことにより、一部でオードリー・サントの事例は聖痕現象という奇跡が存在する決定的証拠と言われています。

 オードリー・サントの家では、聖像から涙が流れる、オードリーに会った巡礼者が治癒するなどの奇跡が起きたと主張されています。そこら辺の奇跡については懐疑論者もデバンキングを行っているんですが、オードリーの聖痕現象に関しては、懐疑論者も話題にするのを避けているように思えます。

 それにはたぶん理由があります。オードリーの事例が奇跡ではないとしたら、その事実は何を意味するでしょうか?

 はじめに思いつく可能性であり、最も高い可能性は、周りの人がオードリーを傷つけているということです。オードリーは常に母親であるリンダの手厚い介護を受けています。状況から考えると、母親のリンダが真っ先に疑われるでしょう。

 ではこれは虐待事例だと考えられるようなものなのでしょうか?母親のリンダは信仰心も厚く、オードリーへの愛情も深い人物です。金儲けに走ったりもしていないようです(現地では、グッズ販売や寄付の呼びかけがあるようなので、おそらく、ですけれど)。

 詳しい調査が行われていないため、印象や推測でしか話すことができないのですが、母親以外の人がオードリーを傷つけているということもなさそうな雰囲気です。すると、もう奇跡という結論しか残っていないのでしょうか?

 単なる憶測だという前提で言えば、私にはこの事例が、母親リンダの代理ミュンヒハウゼン症候群の結果に思えます。もちろん証拠はありませんが、もし私の憶測が正しければ、この事例は精神疾患のからんだ傷害事件ということになります。
 
 こういったことを考えると、超常現象の懐疑論者が扱うには難しい問題なんですよね。もちろん懐疑論者だけでなく警察も調査をしていません。検証は比較的簡単で、隠しカメラの設置程度で可能ですが、今まで行われたことはないといった状態です。

 私たちには想像できない、海外での宗教の重要さがこういった現象の調査を阻む力となっているのかもしれませんね。
posted by ASIOS at 20:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月13日

あなたがビリーバーなら将来有望(かも)

こんにちは。蒲田です。

 雑談の話になりますが、懐疑論者の中では「もともとビリーバーだった人の方が優れた懐疑論者になりやすい」とか「ビリーバー的な要素を秘めたままの懐疑論者の方がすばらしい人が多い」なんて話が、単なる思いつきのように口から出ることがあります。

 他の人は、もしかしたら根拠があって言っているのかもしれませんが、私は妥当な根拠なしに納得しています(笑)。

 ちょっと考えてみると、ハリー・フーディーニとかカール・セーガンとかは、ビリーバー的な要素を色濃く秘めている人だったと思います。逆に、ジェームズ・ランディとかマーチン・ガードナーとかは、そういう雰囲気を感じないので、反例といえるかもしれません(どうなんですかね?ウィザードさん、ワカシムさん)

 話は単純で「超常現象に興味を持っているか否か」にまとめられるのかもしれません。つまり、すばらしい批判をするにはその批判対象についてよく知っていなければならないけれど、もともとビリーバーだった人や、ビリーバー的要素を秘めているひとじゃないと、なかなか「超常現象を深く知る」という基準をクリアするのが難しいとかいうことかも。

 そう考えると、JapanSkepticsのような団体よりも、本来は面白がっているだけだったはずのと学会の方が、超常現象のデバンキング内容が高く評価されているのも納得いきますよね。

 もし、今、超常現象ビリーバーなら、超常現象に関する興味を持っているということだと思います。そういう人は優れた懐疑論者になる可能性を持っているといえるかもしれません。あとは、行動を起こして色々と調べてみるといいかも。
posted by ASIOS at 19:48| Comment(7) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月27日

超常現象は真相だけを見たらつまんないことも多い

こんにちは。蒲田です。

 今回はちょっと、超常現象の調査に関する話をしてみます。

 歴史をみてみると「昼なのに、真っ暗になった」なんて話が、超常現象の記録として残ったりしています。1780年にアメリカ、ニューイングランド地方で起こったものは、きちんと記録に残っているため特に有名です。現象のインパクトが大きいので、どうしても「普通ではない原因があったのだ」と考えてしまいがちです。「普通の原因では説明できない」と感じてしまうのです。

 あなたが、超常現象を信じない人なら、隕石の衝突でチリが空に舞い上がったのではないか?とか、大きな火山の噴火があったのではないか?なんて考えてしまうかもしれません。しかし、多くの場合、真相はもっと日常的なことだったりします。例であげた1780年のニューイングランドの事例は山火事だったことが判明しています。あれ?今「なぁんだ、つまらない」と思いませんでしたか?

 こういった、珍しい現象には、珍しい原因があると感じてしまうのは、心理学でいう「代表性バイアス」のひとつの表れだと思われます。もともと、人間にはそういう性質があるということですね。

 「昼なのに、真っ暗になった」なんて現象の原因を、珍しい度の高い順番にならべると、以下のような感じになるでしょうか。1は人それぞれなので置いておくとしても、上のほうが「昼なのに、真っ暗になった」という現象の原因としてふさわしいと思いませんか?

 1. 超常現象
 2. 隕石の衝突
 3. 火山の噴火
 4. 山火事

 人の心理は珍しい現象には、珍しい原因があると感じてしまう傾向があるのですが、実際に超常現象といわれているものを調べてみると、「本当の原因は良くある現象だった」という結果になりやすいのが現実です。実はこのことには理論的裏づけがあったりするんです。

 それは「ベイズの定理」と呼ばれるものです。タクシーの話が有名なので紹介します。

問題10 『ある街のタクシーの15%は青で、85%は緑である。あるときタクシーによるひき逃げ事件が起きた。一人の目撃者によると、ひいたのは青のタクシーであるという。ところが現場は暗かったこともあり、目撃者は色を間違えることもある。そこでこの目撃者がどれくらい正確かを同様の状況下でテストしたところ、80%の場合は正しく色を判断できるが、20%の場合は実際の色と逆の色を言ってしまうことがわかった。さて、証言どおり青タクシーが犯人である確率はどれだけだろうか。』

S:8割正解なんだから、80%の確率で青タクシーだよ。
S:もう少し少ないんじゃないかな。70%くらい。
T:このように、条件がついた時の確率を求める方法が、ベイズの定理なんだ。
S:どうやって求めるんですか。
T:さっきやった、「くじ」に当てはめるという方法を使うとわかりやすいよ。街のタクシーの台数を100台とすると、15台は青、85台が緑。さらに、証人が間違える確率を入れると、次のようになる。

         その街のタクシー(100台)
          /          \
      青(15台)          緑(85台)
      /  \           /  \    (この中で20%間違える)
 正(青)12台 誤(緑)3台  正(緑)68台 誤(青)17台 ←(これがあることを忘れてしまう)

S:わかった。青タクシーのうちで正しい場合は12台で、青タクシーと思い込む場合も含めると12+17=29台。そこで、正しい青タクシーである確率は、12/29=0.414となり、青タクシーである確率は41%だ。
S:えーっ。そんなに小さいの。
S:緑のタクシーを青と間違える場合を忘れているから、多く見積もってしまったんだ。

数学と心理学  ベイズの法則」より


 他にも「ベイズ推定 - Wikipedia」の「臨床検査における偽陽性」の項目なんかが参考になります。ちょっと複雑だったでしょうか?

 要点は、基礎となる確率(緑のタクシーの多さ、病気の発生率の低さ:事前確率)が、最終的な結論に大きな影響を与える(青という証言だったのに緑だった、病気だと判定されたのに病気じゃなかった)というところです。でも普通の人は、「青という証言だった」とか「病気と判定された」という事に目がいってしまうため、本当の確率とは違った印象を持ってしまうことがあるというわけです。

 たとえ、「山火事で一部の地域が真っ暗になる可能性なんてとても低い」「隕石で一部の地域が真っ暗になる可能性は高い」という状況であっても、隕石より山火事の方がずっと頻繁に起こるため、真っ暗になった原因が山火事である可能性の方が高くなるということが起こるわけです。

 「珍しくもない現象が、珍しい結果を生み出すことがある」そして、それは当たり前だってことは、注意しておくといいのではないでしょうか。

 まあ、実際のところ「調べてみたら本当はそんなことは起こっていなかった」という結論が多いのも、超常現象の特徴なんですけどね…。あれ?これが意味するのは…。
posted by ASIOS at 22:39| Comment(5) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月13日

超常現象の調査は日常生活にもきっと役立つ

こんには。蒲田です。

 私のように、周りにあまり理解者がいない環境だと、「超常現象なんか趣味にして何の役に立つんだよ」とか、「そんな下らないものより、もっと役立つものを勉強すればいいのに」みたいな、残念な意見を聞くことがよくあります。

 そもそも趣味なので、役に立つとか立たないとかは本来どうでもいいことのはずなのですが、超常現象の調査みたいなことをやっていると、日常生活でもかなり「使える」能力が身に付くと、私は考えています。ジュニア・スケプティックについて興味を持ったのも、超常現象の調査が日常生活に役立つと思ったためです。

 なぜ、超常現象の調査が日常生活に役立つといえるのでしょうか。

 それは、超常現象であれなんであれ、調査をするということは、「本当のことは何なのか?」を追い求めることだからです。何か行動を起こそうと思ったら、本当のことを知っている方が有利ですよね。間違ったことを信じていた場合は、間違った行動をとるかもしれませんし、自分が望む方向に舵を切れていないのに、うまくいっていると誤解してしまうかもしれません。

 誤解といえば、超常現象は誤解の宝庫です。錯視の例のときも触れたように、人は高度な情報処理を行えますが、同時にそのことによって間違ったことを信じてしまう傾向も持ちました。

 そういった傾向が顕著に見られるのは超常現象の体験談です。体験談は繰り返し確認できず、間違っていてもその間違いに気付く事が難しいため、誤解が誤解のまま残りやすいのです(「興味深いUFO目撃報告の例」も参照してください)。

 というわけで、超常現象の調査をしていると、人間の間違いやすさや誤解について、実例を持って深く知ることができるというわけです。

 さらに、懐疑論者的な調査は、「正しい」「間違っている」といったような二分法で終わりになるようなものではありません。何がどれくらい正しいといえるのか?なにがどう間違っているのか?を意識してこそ、懐疑論者らしい調査になります(うちのサイトもそういうコンセプトでやってます。余談ですが、もしかしたら今までの懐疑論者の定説の一部は覆せるんじゃないかという雰囲気がしてきました)。

 つまり、日常生活の中で、自分が行動を起こす上で大前提となる「現実に対する正しい認識」を得る方法は、超常現象の調査と同じものだと考えているわけですね。

 せっかくなので、みなさんも超常現象の調査をしてみませんか?
posted by ASIOS at 19:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月23日

簡単な10ステップで霊能者になる方法(後半)

本城です。
昨日の記事の続きを書きます。

-----------------------------------------

STEP6
image.jpg質問だと見抜かれないような言葉を使い、客から追加の情報を得てください。

・私は○○という印象を持ちましたが、あなたには思い当たることがあるでしょう?
・あなたは○○と繋がりを持っていますね?
・○○のほうが好きだと思っていますね?


※右上はスケプティック・ソサエティで紹介されていたイラストです。まさにこのような態度で上記の発言をすることが多いようです。語尾は普通の疑問文ほど上げないように注意したほうが質問だとバレにくいです。


STEP7
先人の権威と専門用語を利用しましょう。

コールド・リーディングのスペシャリストであるイアン・ローランドは、このテクニックのことを「専門用語大作戦」と呼んでいます。
専門用語の使用は、読者が論理的に考えるのを困難にし、秘密の知識を羅列するあなたが権威者であると思い込ませることができます。

また儀式などを行うと、客には協力的な感覚が生まれ、さらに疑問や抗議なども行いにくくなります。


STEP8
客の考えを推論するために、心理学や社会学も利用しましょう。


STEP9
客が何を望んでいるのかを考え、客が喜ぶようなことを言いましょう。

誰にでも当てはまる一般的なことであっても、客は自分の人生の特定のことに勝手に結びつけてくれます。すると客は、あなたの霊視が驚くほど正確であったと思い込んでくれるでしょう。


STEP10
言い訳を準備し、あらゆる結果を利用してください。

 ・はじめに霊視が100%正確ではないと述べる。
 ・もし客が間違いを指摘してきたら、あなたは次のように述べるといいでしょう。
 体調不良などを理由に「霊界との接続がうまくいきませんでした」
 「昔に起きたことなのであなたは忘れている可能性があります」
 もしくは「それはこれから起きることなのです」


------------------------------------------

これで10ステップの終了です。
ここで紹介した内容はアメリカ式なので、日本とは合わないものもあるかもしれません。特に日本の場合は、自分に霊能力がないことを自覚しながら客を騙そうとする、いわゆる「目覚めているタイプ」は少ないと思います。

そのため最初からイカサマ師だと決めつけるのではなく、こういったテクニックを無意識にでも使えば霊能者として振る舞うことができてしまう、ということを覚えておけば、一歩引いた視点から眺めることができるようになるのではないかと思います。
posted by ASIOS at 13:10 | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月22日

簡単な10ステップで霊能者になる方法

本城です。
今回はアメリカの3大懐疑団体のひとつ「スケプティック・ソサエティ」が公開している「簡単な10ステップで霊能者になる方法」を翻訳して紹介したいと思います。

同団体の代表を務めるマイケル・シャーマーによると、この10ステップを1日練習するだけで、彼のことを「本物の霊能者」だと客に思い込ませることができたそうです。

その方法というのは、いわゆる「コールド・リーディング」などのテクニックも含まれていますが、他にも雰囲気作りなどのテクニックも含まれています。これらを使えば、本当は自分に無い霊能力をあると思い込ませることができるというわけです。

一度に全部紹介すると長くなってしまうので、今日と明日で半分ずつ紹介しようと思います。それではまず前半の5つです。

-----------------------------------------------

STEP1
客に親しみと快適さを経験させるための舞台を準備しましょう。

あなたを偉大な霊能者に見せるためには、魔方陣や占星図、参考図書でいっぱいになった本棚といった小道具がとても重要です。
また、座り心地の良い椅子と小さいテーブル、レースのテーブルクロス、キャンドル、暖色系の照明、お香などは、“スピリチュアルな”印象をあなたの客に与えるでしょう。


STEP2
同情的で思いやりのある人物を演じてください。
そうすることで客は、あなたの発言をより受け入れやすい状態になります。

柔らかな声、穏やかな振る舞い、微笑み、一定のアイコンタクト、時折、耳を客の方に向けるといった行為を心がけると良いでしょう。脚を組んだり、腕を組んだりといったことはやってはいけません。

あなたは自分のことを「直感・創造的」な霊能者であると言いましょう。そして客には、様々な心の悩みを抱えて自分のもとにやってきたことがわかると説明しましょう。(客の心はニューエイジやスピリチュアルを好むようになっています)

そしてあなたがミスしても合理化できるように、次のように言い加えるといいでしょう。
「私の霊視が100%正確であれば素晴らしいでしょうが、誰も完全ということはありません」


STEP3
多くの人は、次の7つのことに関して悩みを持っています。

愛、健康、お金、仕事、旅行、教育、夢

さりげなく質問をしながら、まずは客がどのカテゴリーの悩みをもっているのか見当をつけるといいでしょう。


STEP4
霊視は「バーナム効果」を使って始めます。
※バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような一般的な人物描写を、自分だけに当てはまるものだと思い込んでしまう現象のこと。

実演の様子は下記リンク先の動画で見られます。
http://www.asios.org/movies.html#movies3
http://www.asios.org/movies.html#movies5


STEP5
バーナム効果のあとは、より具体的な内容にしていきます。
以下の事柄に触れれば、大抵の人々は思い当たることがあるでしょう。

 ・子どもの頃のおもちゃ、本
 ・古い写真
 ・もう動かない時計か腕時計
 ・もう動かない電化製品
 ・古い医薬品か、時代遅れの医療器具
 ・死んだ家族の誰かが残した宝石
 ・冷蔵庫か電話の近くにあるメモ
 ・昔やっていた趣味の本
 ・何をあけるものだったか思い出せない鍵
 ・開けない、もしくはスムーズに動かない引き出し


さらに個人に関するものもあります。

 ・子ども時代の水に関する事故
 ・住所に関連する数字の「2」
 ・ひざの傷
 ・子どもの頃は長い間、髪が短かった
 ・一度も着なかった服
 ・財布や手帳に好きな人の写真
 ・片方をなくしたイヤリング、ピアス


-----------------------------------------------

さて、ここまでが前半の5ステップです。いかがだったでしょうか。
STEP2は江原氏が実践しているテクニックですね。よく、霊能者の態度で本物か偽者の区別をつけたがる人がいますが、これは最も騙されやすい基準なので使わないほうがいいと思います。

STEP5は私の場合、17項目中14項目も思い当たることがあります(笑)。とくに思い当たる節がないのは「死んだ家族の誰かが残した宝石」、「子ども時代の水に関する事故」、「財布や手帳に好きな人の写真」の3つだけです。

そういえば最後の写真については、江原氏が檀れいを「オーラの泉」で霊視したときに言っていましたね。こういった項目は、一度言及すると相手は自分から思い当たることを色々と話してしまって簡単に情報が得られるものです。

そして霊能者が言っていたのは最初のキッカケになる事柄や、途中の相づちだけだったりするのに、自分が話した詳しい内容も霊能者が霊視したことだと思い込んでしまうことがあるので注意が必要です。

後半の5ステップは明日紹介します。お楽しみに。
posted by ASIOS at 19:49 | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月28日

より奇跡的なのはどちらか

こんにちは。蒲田です。

 超常現象の主張は、多くの場合体験談として語られます。合理的に考えたらとても起こりそうにないことが起こるため「超常現象」に分類されるわけですが、見間違いや、勘違い、それから騙されただけなんていう、たいして面白くない結論はどのような根拠で却下されるでしょうか。

 「意識ははっきりしていたし、はっきり見た。見間違いなんかじゃない。実際に体験すれば、君にもわかるはず。」といった根拠はよく聞きます。

 超常現象を信じていない人なら、ここで「オッカムの剃刀」を持ち出したりするかもしれませんね。ASIOSの趣旨に賛同しくれる方なら、マルセロ・トルッツィの「並外れた主張には、並外れた証拠が必要となる」でしょうか。

 こんな状況に合ったフレーズのバリエーションをもうひとつ付け加えてみてもいいかなと思ったので紹介です。哲学者のデイヴィッド・ヒュームはこんな趣旨のことを言っています(適当に補完)。

 奇跡的なできごとが起こったという主張に出会ったとき、本当に奇跡が起こったという結論と、私たちが担がれただけだという結論、果たしてどちらの結論がより奇跡的かと自分自身に問う必要がある。

 「超常現象が起こる」ことよりも、「自分が間違う」ことのほうが奇跡的なできごとでしょうか?

 背景にある考え方は、オッカムの剃刀やトルッツィの名言と同じですが、こういう視点の置きかたも面白いですね。
posted by ASIOS at 17:30 | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月07日

小室哲哉について―江原啓之の霊視

本城です。

今日は昨日の細木数子に続いて江原啓之の霊視結果を紹介したいと思います。小室哲哉が出演したのは「オーラの泉」の2008年5月3日放送の回です。

以下はその内容の要約。

「当時と今はまるでオーラが違う。当時のオーラは、どす黒い赤。
今はまったく穏やかな綺麗な紫がかったオーラ。

孤独な魂の旅の末に無償の愛に辿り着いた。
やっと無償の愛を得るために生まれてきて、やっと得られた。(美輪)
無償の愛とは何の見返りも要求しないということ。相手からも。(美輪)

スピリチュアル・メッセージ。
一言で言うと「今は焦るな」。焦るなというのは、本当の自分で生きていこうとするのはいいのだけど、それにも時期がある。自然と道は開けてくるから泰然自若として待てばいい。新たな小室さんの時代が来る。

小室さんのおじいさんは今の状況を心から喜んでいる。2、3年のうちに新たな道が広がっていく」


こちらも全然予見できていませんでした。特におじいさんからのメッセージが痛い。
これを収録した今年3月か4月の時点では既に詐欺を行っていたらしいので、喜んでいる場合ではないと思うのですけれど。

また、焦らないようにとのメッセージは美輪明弘曰く、原点である富田勲の音楽を再構築していくことだそうです。そうすればいい音楽がつくれると。

なんでも、美輪&江原には小室哲哉がつくる不思議な曲が(霊感で?)聞こえるらしいです。でも2、3年後には刑務所に入っている可能性が高いので、その不思議な曲とやらは空耳じゃないでしょうかね(^^;)

・関連記事
「小室哲哉について―細木数子の鑑定」
posted by ASIOS at 18:19 | TrackBack(0) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月06日

小室哲哉について―細木数子の鑑定

本城です。

ここ数日は小室哲哉の逮捕の件でいろいろ報道されていますね。本人もまさかこんな結末になるとは想像していなかったのかもしれません。

ところが小室哲哉は以前、占い師の細木数子とスピリチュアル・カウンセラーの江原啓之に、自分の未来を鑑定してもらったことがあるのをご存知でしょうか。

はたして二人は小室の未来を予見することが出来ていたのか。少し気になりますよね〜。そんなわけで今回は、番組の録画を参考に二人の鑑定結果を二日に分けて紹介したいと思います。

まず今日は細木数子から。
彼女の番組に小室哲哉が出演したことは何回かありますが、その中でも細木が鑑定書をもとに大真面目に鑑定を行った2006年10月3日の放送を取り上げたいと思います。

そのときの番組は「ズバリ言うわよ!炎の4時間メッタ斬りSP」。
小室哲哉が番組に登場すると、さっそく「先生」と呼びながら細木との親密ぶりをアピールします。結婚式の日取りまで決めてもらったそうです。また、左の手首には六星占術のタトゥーも入れているそうで、実際に服をまくって見せていました。完全に信じきっているみたいですね。

さて肝心の鑑定のほうはといいますと、小室とKEIKOの鑑定書を見ながら真面目に行われます。以下はその内容です。

「二人は素晴らしいカップルなの。そして活動時期をちゃんと心得て出て来られた。というのはね。小室さんがね、今年「再会」、来年「財成」、「安定」。ガンと行きますよ。そしてね、KEIKOちゃんがね、種子、緑生、立花なのよ。

最高の時期にもう一度活動しようと意識が開花できたんでしょ。
(小室:はい)
これは行きますわ。何をやっても上手くいく。

そしてね。この二人は相性もいいのよ。(中略)
(鑑定書を見ながら)KEIKOちゃん、すごいなあ。緑水星、大善星って宿命の部分でね、ものすごい大金を残す時期なの。
ヒットしますよ〜。これからの20年。(中略)
もう一度すごい時期に入ったから何の心配も無い。(後略)」


いかがでしょうか。
ご覧のとおり、現実と比べると見事なハズしっぷりですね。
なお小室哲哉は、六星占術でいうと「木星人プラス」で、逮捕時の2008年11月の年運と月運はそれぞれ「安定」「財成」でした。特に月運の「財成」は、「やることすべてがお金になり、何をしても成功に結びつく」時期だそうで、こちらも見事なハズしっぷり。

これで鑑定料として一般には10万円を取るのだから、いい商売ですよね。

・関連記事
「小室哲哉について―江原啓之の霊視」
posted by ASIOS at 17:17 | TrackBack(1) | 懐疑的な話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする